愚鈍な日銀

現在は円高の超長期のトレンドを粉砕するかどうかの分岐点にある。

投機筋の円ショートの多くは先週刈られまくったところだが
まだまだ円ショートはかなりの売り持ち状態が膨らんでいる。

ただ現在の短期トレンドは円高に向きつつあり
短期の投機筋は円買いで円売りのLCを粉砕しようとしている。

そこで期待されていた本日の日銀の政策判断。

ここで追加の緩和策を示すことをすれば
それがこけおどしであっても、短期の円買い筋は一気にポジションを閉じ
円売りのショート筋が勢い好き
ふたたび円売りの地合いに戻る可能性が非常に高かった。

ここでなにもしないということは、
ある意味では円高を加速させる環境を整えてあげているに等しい。
円売り勢にとっては、何かをするよりも罪つくりの
いわゆる無策ということになる。

現在の日本の経済不況の継続は
金融面から言えば、
こうしたなにも行わない日銀が最大の戦犯だという者もいる。

いつでもせかせか動けばいいというものではないが
ここというところで動けないようだと、中央銀行の意味はない。

しかし、日銀は期待を裏切りまたも現状維持を示した。

誰もが失望したことだろう。
円高、円安にかぎらず、私個人としても
どちらに行くという問題ではなく、日本の経済に対して
あまりにも当事者意識にかける日銀にはがっかりした。

日銀の人々は日本がどのようになろうとも
具体的な責任を取らない。

であるなら、というわけでもないが
日銀がこれまで変わらず行ってきたことは
なにかを行い、その責任を問われることでなく
なにもせず、その責任を問われる、ということをしてきた。
どのみち責任は取らないのだから、
後者の方がペナルティが少ないとでも考えているのだろう。
まさに官僚思考である。

政府、中央銀行、当局のこうしたあらゆる愚鈍さが
いや、自己保身のみを考えての保守的行動のすべてが
いまも日本の元気をどんどん奪っている。