ふんばる豪ドル
雇用統計は、意外にも予想下ぶれ。
例の某アメリカ投資銀行の予測はある意味正しかった。
ごめんね。サックス。
ただ、方向はシナリオに沿ってる。
ダウの崩壊がはじまりつつある。
そこで不気味に踏ん張るのが、豪ドル。
82円近辺で、必死にもがいている。
81円台はいい買い場、と日本人に思われているか、買いが入っているのだろう。ショートカバーするには、まだショートポジションを皆が構築するほどの低さにない。
豪ドルの中央銀行はじめ、当局はいまの豪ドル高を嘆いているはずなので、ソブリン系の買いはまず入らない。
つまり、必死に買い支えているのは、おそらく個人勢、もしくは、世界で最もトレードが下手な日系の銀行や証券会社。
まあ、不気味にというのは申し訳ないが、豪ドルは高金利通貨ゆえに、日本はもちろん、欧米の投機筋すらロングぱんぱんに張っていて、ショートされることはあまりない。
ファンダメンタルズからも当然だが、その逃げ足は、株価の暴落が一旦始まると、一気に押し寄せる。
普段は穏やかながら、一度、下げトレンドがはじまるとその下げのきつさはポンド並?
個人的ながら、これまで最も負けてきた通貨ペアがオーストラリアドル。高金利にだまされ、ロングでなんど酷い目にあったかわからない。
以後、スワップ狙いはしないと堅く心に誓っている。
世界の景気がよければ、また話は別だけれど。
投機の連中は回転売買がお手のものなので、すぐに売ったり買ったりとひっくり返すので、豪ドルをうまく飼い慣らしているが、円キャリートレードの夢を知る日本人投資家はその場合もホールドしつづける。
豪ドルは世界が好景気の時は、その強さをいかんなく発揮するけれど、景気に陰りが出るともろい。
いまは、果たして世界は好景気だろうか。
一時的な高金利に惑わされて、いまのレートあたりでのロングは危険だと思う。
いまの高金利は緩和政策から見れば、下げ余地が最もある通貨ということになる。
ドル安は長期的にはもはや必然にしても、QE2のインチキで押し広げられたドル安のギャップが値を戻していく可能性は捨てられない。
つまり、短期的なドル高トレンド。
いまのAUD/USDはあまりにも高すぎる。
いまの豪ドルは歴史的な高値圏にある、ということを忘れてはならない。
豪ドルがいくら強いと言っても、対アメリカとパリティ以上というのはまだ高い。
それが当たり前になるのは、もう少し先のことのように思う。
ということで、いま自分は豪ドルをぱんぱんにショート。
毎日、逆スワップをもっていかれるのが、痛いけれど、アメリカの暴落を予想しているため、ロングは怖くて持てない。
持つとすれば、せめて70円台前半あたりだと思います。それでも、さらなる押しが耐えられるレバレッジであることが前提で。
そんななか、唯一、ロングしたい通貨はポンド。
ドルもダメ、ユーロもダメ、豪ドルはもろい、となると、消去法でこの通貨がまだまし。
流動性はドルやユーロに劣るとしても、豪ドルよりは強いと思う。
あの殺人通貨は、株価の下落や上昇などの荒波にもめげず、自ら荒波を作る、ちょっとイタイ通貨なれど、今後の時代で強さを発揮しそうな感じがする。
来年はオリンピックも控えているし、というのは半分冗談で半分本気。
ともかく、大統領選挙に合わせ、ドル高、円安(?)相場が到来したときに、もっとも上げ余地があるのが、ポンドではないかと思う。
たぶん、ポンドはがんがんに上がりきった頃、ようやくみんなが注目をはじめるのだろう。
いまはまだダメダメ言われてますが、私は信じてます。
ちなみに、全通貨中、もっとも成績がいい通貨が、ポンドがらみ。
ポンドスイスだけは、けちょんけちょんにやられました。ロングしてたおかげで。
やっぱスイスにはかなわない。