来週の戦略

来週の日経平均はダウの影響から続落。

日経平均のチャートはぜんぜんみていないのが、金曜のインパクトから8900円という壁は軽く割ると思う。

ダウ先物がどのように動くかだけれど、アジア時間はショートカバーが入ることも多いので(たいてい、ロンドン時間を売り場を作って上げるだけの愚かカバーだが)、そうなったら、下げ渋りを一時は見せるだろう。

ただし、週明けはだいたい、ダウ先もカバーする元気があまりなく、トレンドフォローに走りがち。しかも、アメリカのホリデー感もまだ尾を引きそうなので、そのまま続落で走るように思う。

そうなると、8800円も割れるかも知れない。
というか、日経平均のサポートがどのあたりに置かれているのか全然知らないので(興味ないので)、8800円というのがとりたてての壁ではないなら、壁の限度までいくと思う。それが8000円なら8000円でもいい。

ただ、日経平均の1日の値幅を考えれば、落ちたところで8800円割れくらいだろうと思う。月曜に関して言えば。

1日の相場は下げの場合で言えば、だいたい

NY:下げ→TK;下げでもカバーでも中途半端→LD:アジアがどちらに転んでも、まずアジアを狩りにくる→NY;新たなトレンドをまた作る(続落か反騰)→TK:で、性懲りもなく東京メインがNYの結果に追随→LD;そしてまた欧州時間にそれが狩られる(泣)

為替で言えば、ここに一般個人投資家が負けやすい構図がある。

日本人の個人投資家は、夢よ再び、円高は最高の押し目
という固定観念に常に囚われているので、
アジアで上げた場合は、円売りで入ってしまい、
下げた場合もチャンスと思い、また円売りで入ってしまう。

どちらに転んでも上記の構図である限り、狩られやすい。
なので、多くの個人投資家は勝てないのだと思う。

やるならば、アジアで円が安くなってきたら、逆バリで円買い。
アジアで下落がはじまり円高が進んでいくなら、順張りで円買い。

の方がまだ勝率が上がると思う。

そんな哀れな踊り場アジア時間ではあるが、暴落相場のときだけは、アジアの下げに対して、
ロンドン市場も東京を狩るという遊び(騙しやストップ狩りの強引な押し上げ)は止めて、売りでついてきやすい。

そうなると、

NY下げ→TK下げ→LD下げ→NYさらに下げ! または、ここでセリングクライマックスが来れば反騰。

と、一気に下げの連打が来る。

こうなると、円安カモン!と日本人が喜んで買っても買っても、押し目買いのつもりが、トレンド逆フォローという負の連鎖を作っていく。

月曜は、NY時間まではそんな流れで突き進んでいくように思う。
これが、下げ止まるか、反騰するか、止まらないか。
いずれにしても、それはNY時間あたりまで決することはないだろう。

ただ、個人的には、NY時間になっても下げ止まらないように思う。
ということで、NY時間は続落で、火曜にもその下げは引き継がれていく……と見る。

もしこれが3日も続けば、ようやく新聞、テレビなどマスコミが騒ぎ出す。新聞が騒ぐのは3日も4日も下落が続き、そこからだめ押しでダウが500ドルくらい1日で下げた後だけ。

なので、一般の情報しか日々得ていない普通の人は、相場なんて幻魔大戦のような世界を見ている暇も興味もないので、いつも相場が上か下か行ききったときまでは、相場の情勢を知らないでいる。

下がったときは怖いと思うだけだが、上がったニュースの時は、自分も株などしようかと思いだす。
しかし、繰り返しとなるが、一般人が相場観を持ったときには、相場は加熱の方向にあって、そのころに参入しても大概は遅すぎる。
なので、上げ相場が続いていたとしても、たいてい、途中の大きな押しでへこたれて、損切りするか。下手すると、最高の高値づかみ天井つかみをさせられて、大損失か、永遠の塩漬けワールドに突き進む。
だから、素人は投資にはなかなか勝てない。
あおりのタイミングの悪い、マスコミにも罪がある。
相場ではマスコミが騒ぎ出すと天井、底だ、という話もあるが、むべなるかなとも思う。

そんな話は置いておいて、終日下落連打という地合になると、リスク回避ということで、当然、クロス円は下落していくので、ドル円もその流れに引きずられることに。

リスク回避とはドル買い。ただし、ドルは対円では売りにはならない。

みんな、リスク回避のドル買い、円買いとかいうが、いまの時代は(昔からも同じかも知れないが)、そんな構図はないと思う。

円が主体的に買われることはない。また避難通貨として消極的に買われることすらない。そのように思う。

リスク回避のドル買い、までは当たっているが、
相対のユーロや豪ドルが売られることで、ユーロ円や、豪ドル円も売られる、その流れでドル円にも波及して、
結果、円が全面高みたいになってしまう、だけだと思う。

円はあくまでも幻通貨。ユーロ円はクロス円。ドル円は、ユーロ円というクロス円とユーロドルというドルストレートを合成した、クロスクロス円、合成合成通貨、ある意味で奇形動物みたいなもんなので、直接、円に需要がくることなんてないと思う。

円は、世界のドル安、ドル高の挟み撃ちの狭間で、振り動かされているだけだと思う。

そういうわけで、リスク回避ですすんでも、幻通貨の筆頭格、ドル円は、クロス円に引っ張られるというらしさを見せて、落とされそう。

当面は、76.4円あたりが壁になりそうなので、このあたりでは介入警戒などで下げ渋り、ドル買いの方向でレンジプレイになるのではないだろうか。

ドル円がさらなる壁を抜くには、やはりNY時間を待たないとならないだろう。

ただ、クロス円はドル買い(あくまでドルストレートの話)で相対通貨が売られる勢いで、下げを加速させそう。

ただ、ユーロ円、ポンド円などは、109、124、とここ最近のレンジのかなり下限まできているので、ここを抜けるかどうか。

9月相場は走るので、ここが突破されれば、ユーロ円などは105円あたりのさらなる下限を目指すかもしれない。

どちらにしても、下げ余地満載で、いまだ上げ気味で推移してしまった通貨は豪ドル、キウイ円。
これらがいま最も危ない。

敏感通貨らしく、ダウの上昇とともに調子に乗って、押しのような押しもなく、異様なまでに、戻しに戻したが、83円、66円と、米国債格下げからの下落発射地点までは届くことができなかった。

ここから垂れが開始されると見る。

直近の高値ははるか遠いところにいるので、垂れてきたら、直近の安値、70円台半ばを再びぶち抜きにいくだろう。

ここで反発するようならば、三角保合という中途半端なチャートフォーメーションになるが、資源通貨はそんな中途半端な悩みの形は通常取らない。

上がるときは上がって、下がるときは下がる。

ある意味、ちょっとお馬鹿な子のように、単純一直線なところがある。

で、豪ドルとキウイで、どちらに下げ余地があるかといえば、豪ドル。

AUD/NZDというマニアックな通貨ペアで、AUDはNZDに押されているから。

豪ドルの方がキウイよりも金利が高い。

景気低迷が色濃くなっていくと、金利が高い通貨ほど、金利の下げ余地が大きいことから、売られがちとなる。

ということで、先週からの豪ドル円全力売りは現在もステイ。

ポンド円をロングでホールドしたい気持ちもあるが、クロス円の下げで引きずられる規模の弱さがポンドにあるため、とりあえず、ポンドがらみはスクエアにして、次のチャンスを待つ。

ただ、ポンドの強さについては、指を加えて見ているわけではなくて、裏で密かに動きうる、EUR/GBPではショートをポジショニングしている。

EUR/GBPは本当に長い長いアップトレンドがいまだに破られていないが、これが破られることがあれば、その下落の破壊力は、注目を集めることとなるだろう。

ただ、このポンドロングは、まだいまの地合いでは強さを見せにくいので、軽めのポジションでホールドしている。

ということで、話を豪ドルに戻せば、もし、これから近い先に、新たなリーマンショック、100年に1度の危機とやらの再来がはじまれば、その割りを最も大きく食ってしまうのは、これまで最も恩恵のあった、豪ドルしかない。

その巨大なショックは、今年、ふたたび再来するように思う。
サブプライムCDSの問題も、すべて先送りで、過去の危機についてはどれもまともに解決していない。
それがふたたび明るみになる秋、のように思えてならない。

いずれ、膿は外に出ざるを得ない。
この膿をあと数年もごまかすことはさすがに無理がある。
しかも、来年は大統領選挙。
今年、膿が大放出されたほうが、改革という名の下で、株価の再上昇を2012年に演出しやすい。
そのために、ダウはまた8000円とかまで暴落しても、当局としてはありといえば、ありなのではないだろうか。
どうせ、悪魔に魂を売っていることだし、なんでもやるだろう。

そういうわけで、どんなときもふんばりつづけ、あれよあれよと1.1まで上り詰めた敏感っ子豪ドルも、そろそろ年貢の納め時?

しかし、もしも危機が再来した場合、
100年に1度の危機が、何回起こるんだという感じ……。
リーマンショックは、いまのグローバル経済からすれば3年に1度の危機だろうと思う。
グリーンスパンFRB議長殿も、適当なことを吐き散らかし、妙な世界の流行語を作らないでいただきたい。
この流行語を信じて、この危機が大底で、次の危機はもう100年ない、信じさせさせられた人は、数億人はいると思う。

まあ、クレバーかつシニカルな投資家達は、まったく信じてはいないだろうけれど。