ダウは11700は越えない!

日足ではダブルボトムを作り、いけいけ感満載のダウ。

このフォーメーションをぱっと見れば、テクニカル分析からは12300あたりがターゲットとなり、暴落がはじまったダブルトップのネックラインあたりまで戻す、となる。

フィボナッチからは76.4%戻しまで到達し、全戻しも視野に入り、年初来高値を再び更新。

なにかおかしかないですか。

2週間ほど前に、年初来安値を更新してからの一気の切り返し。

あまりにも早く、わかりやすく完成されたフォーメーション。
芸術的な美しさ……はありません。
とても人工的で、教科書の見本のようなかたち。

さすが、ダマシ!

こんな短期での上げ下げがまっとうな投資家によってなされるわけがない。いまの上昇はほぼ99%の確率で投機筋の仕業。
一般の投資家はこの上げ下げで、なにも動けていないと見る。
下げをただ、呆然と見ていただけで、いまの上昇で損失が消えていくことをただ祈るように願っているだけ。

忙しく動いているのは、欧州やアメリカの投機筋や投資銀行のたぐいだけだろう。

ただし、いま大口の投資家やフットワークの鈍い投機筋がロングをそのまま保有していたら……。

いずれにしても、年初来安値を更新、ということは、そこにいたるまで今年半年以上の間でどこで買っていたとしても、それをホールドしていた場合、あの瞬間に買い方である限り全員含み損状態が確定していた、ということ。

彼らはそのときにショートのポジションを持っていたか?
株なので現物でない限り、空売りしていたか。
損切り以外で利益を出す場合、空売り以外には方法はない。
ただ、一般投資家にそれができていたか。
せいぜい、微益での利食い損切りで、ポジションを減らすことが普通で、空売りでポジションを増す、ということは、あまりできていなかったように思う。

だから株は怖い。……為替はもっと怖いけど。

今年の上半期は6月まで囃し立てられたインチキ政策QE2によっての上げトレンドに提灯してロングしていくのが、投機の王道。

ファンダメンタルズを一切無視して、投機的な観点からだけ見れば、昨年から今年までの局面で売りを入れる必然性はない。そもそも、アメリカも金持ちをより肥え太らせるため(だけ!?)のために、このドルばらまき政策を取ってきた。インフレが増し、庶民はどうなろうと、世界中の正しくまっとうに生きようとしている人、貧しくて力なき人がどうなろうと、知ったことではなく、金持ちがさらに金持ちになれるよう、FRB国債購入という禁じ手で、ドルをめまいがするほどばらまいて、お膳立てしてくれた。投機筋ならそれに便乗しない手はない。

で、その後、サービスタイムは終わりということで、QE2は終わり、グリードのなかでも腹八分の連中は利食ってほくほく。そこで満足しない三匹目のどじょう(QE3)を狙うグリードと、いまの株高を信じ込まされている素人投資家が取り残される。

で、満を持してS&Pなるいかがわしい(と私は思っている)、格付け会社により、アメリカ国債の格下げ発表。
QE2で儲けて利食いしたグリードたちを、今度はショートで儲けさせるための空売りの援護射撃の発動。
グリードが往復で儲けようという算段。おそらく、この格付けはアメリカは了承している話だと思う。表向き彼らを批判したりいろいろしているが、結局、同じ穴のムジナだろう。プロレスと同じ。

国家、企業ぐるみでどこまで汚らしいことをすれば気がするんだろう。

こういうのを見るにつけ、アメリカは根本的に別に株高や景気回復なんて求めてないとしか思えない。でなければ、そもそもQE2なんてむちゃくちゃなことはやらない。

株が上がろうが下がろうが、金持ちがより儲かればいいだけ。支配階級に資産が集まってくれば、恐慌になろうが戦争が起ころうがなんとかなる。インフレが進めば金や原油を上げておく、ラリーで株も上げてみせる。株でもコモディティでもがっちり儲ける。

と、ここまでシグナルが発せられれば、今度こそパーティーは終わり、ということで、ロングで粘りながらもついに諦めたグリードの一部は逃げたかも知れないが、諦めきれないグリードと素人投資家はさらに居残る。

その後の週明け、米国債が格下げされているのに米国債の暴騰(株は暴落)、というパラドックスチックな展開によって、混乱から逃げ遅れた人たちはただただフリージング状態となってしまったことだろう。

ここまでの下落を想定してなかったもっとも反応の遅いグリード投機は、この期に及んでも一時的にショートに切り返したかも知れないが、腰の引けているヘッジでのショートであるかぎり、先行グリードの空売りと、損切りなどの投げ売りのなかでも、ロングはそのまま残存されたまま、下落していったように思う。

途中で切り返すと彼らは信じていたかも知れないが、意外とオーバーシュートしすぎて、年初来安値までぶちやぶってしまった、と。

ということで、ロング方の投機はいま冷や汗ものだと思う。グリード投機でも国家とうまくシンクロできない連中は多い。真のグリードや、敏感なヘッジファンドとかは、とっくにロングをショートにドテンしているように思う。

ヘッジファンドといえば、個人的にはヘッジファンドはそれほど悪とは思ってない。彼らも社会に何も生み出さない虚業で、ろくでなしはろくでなしかもしれないが、彼らは発生しているトレンドに乗っかってそれを増幅させるだけ。結果、不当な上昇や下落が発生するが、もともとの発射地点が彼らではない。世界的に俯瞰してみると、彼らは悪党のおこぼれをかすめとろうとしているだけ。

問題は、嘘のトレンドを最初に捏造する連中。政府、中央銀行はもとより、ソブリン系のあらゆるファンドや、投資銀行などの機関投資家、要はもっと大規模な連中だ。こいつらが最大の悪であり、悪魔に魂を売ったかのような所行を平気で行う、人類の、社会の、未来の、真の敵だ、言っていいだろう。

とにかく、いまロングをはっている反応遅れの大口の投資筋や情報を共有できていないソブリン系、投資銀行は、冷静ではいられない。シナリオ通りの連中もいるだろうが、自らで自らのクビをしめてしまった連中も多かろう。とにかく、もう下落ははじまっている。それは彼らもわかっている。ただ、資金力がある彼らは、その状況ですら、なんとか、一時的にまた別の架空のトレンド相場を作り上げ、少しでも損失を減らすなり、できることなら利益さえ上げたいと思ってる。

彼らも結局はメインの悪とは別の派閥ながら悪。
彼らもなにがしたいんだ、一体……。
なんというグリードたち。
彼らも彼らもすべて人ではない。獣以下だと思う。

いまの勝ち方負け方、どちらにしても、上記に属する連中は現世では罰を与えられないかも知れないが、もしも天国地獄があるならば、地獄に必ず墜ちることだろう。
これまで人でなしの行動をし、欲望を追求してきた報いは必ず起こるだろう。
社会が許しても天は許さない。
……とまあ、これは負け犬の遠吠えに過ぎないので、こういう話はここまで、として……。

いずれにしても、いま世界の情勢が劇的に好転しているわけではない。
なので、暴落はふたたび開始される可能性は高い。

しかし、なんとか逃げ延びたい奴らは、いま手負いの虎となり、必死で買い上げて、提灯して高値づかみを他人にさせて、ある程度の自立的な上昇の後に売り逃げる。

いまの暴騰はそういう仕掛けだと見る。

緩和政策期待だとかオバマ大統領の雇用対策期待とか、もっともらしい分析を、またへっぽこアナリスト達は出しているが、彼らはいまの現象をただ後付けで説明しているにすぎない。

もしも、いまも暴落していたら、緩和期待はあっても、QE3なきいまはそれほど期待できない、とか、オバマ大統領の発言はあまり効果がないと投資家達は見ている、とか、起こっている下落へのもっともらしい解説をしていることだろう。嗚呼、馬鹿馬鹿しい。

そんな複雑なものではない。
難しい事象を簡単に説明できる人は賢い人
簡単な物事を難しく説明するのは愚かな人。
彼らはもちろん後者。

ことはシンプル。
アメリカはインチキ。だからアメリカは落ちる。
なので、いまのダウの上げもインチキ。
それだけの話。

ただ、それだと話がすぐに終わり彼らも仕事がなくなるので、いろんな屁理屈を並べる。

実は、彼らは野球中継の解説者に等しい。ただ、彼らはアナリストとかトレーダーと名乗っているだけ、現状を分析しているような未来予測をしているような錯覚を皆に与えるぶん、タチが悪い。たんなる現状解説者がアナリストもしくはプロのトレーダーであるとご大層に自らの立場を詐称しているだけ、野球解説者よりタチが悪く低俗だ。

彼らはあくまでも、現状を語っているだけに過ぎない。
吠えている犬を見て、吠えていますね、怒っています、と言っているだけ。それが吠えるのをやめたら、いまは嬉しいかもしれません、とまた切り替える。なぜいま吠えているか、その吠えは未来にどうつながるかはまったく!分析できない。表面をただなぞっているだけ。経済知識があるからもっともらしいグラフや専門用語を並べてインテリっぽくはふるまっているが、やっていることは、子供が感じる感覚以下の精度最悪、鈍感力マックスの、空虚な発言でしかない。

いまの状況で、この上げがまやかしであるという説明をしてるアナリストはほとんどいない。いまの上げトレンドに追随した分析ばかりを繰り返している。

こんな後付けばかり、しかもかなり結果が見えてからの分析だと、素人は高値買いや安値売りばかり掴まされるはずだ。

とにかく、アナリストという者は、いま起こっていることを後出しじゃんけんで説明しているにすぎない。彼らは1秒先すら予測できない。実際、これまで彼らの分析がどこまで当たっただろうか。アナリストが正しい分析ができるなら、ここまで多くの人たちが投資で損失を出すわけがない。

帰納法からしても、彼らは馬鹿ばかり、よって意味なし、ということで、あきらかにアナリストの分析は意味がなく、むしろ害でしかないという結論が導き出されるだけだが、彼らも仕事をほしいのでそういう占い以下の分析をいまも続ける。
彼らは悪ではないが、チンピラ以下で、まったくもって彼らの仕事は虚業中の虚業だと思う。

ということで、このダブルボトムはダマシだと思う。

今日か明日、下落のスタートがはじまると予測。今日まで上げて、雇用統計で叩き落とすか、今日からすでに垂れがはじまるかまでは定かではないが、11700はまずいかないと思うので(インチキで買い上げ続けるとしても、投機にそこまでの勇気はないはずなので、上がるとすれば素人衆がシグナルを感じて買っていく自立上げだけだろうから)、そろそろ落ちると思う。

ターゲットはもちろん、年初来安値の再度のぶち抜き。

ここでようやく
ドル円の分析。
ダマシにつられて上がり続ける豪ドルだけれど、83円は超えないと見る。今日はまた上げている(本当にかわいそうな敏感通貨)が、ついに今日明日には下落のスタート、下手すると破滅のはじまり、と見る。
最終的にダウが下はどこまでいくかわからないが、少なくとも年初来安値はもう一度破るとしても、その先でダウが途中で下げ止まれば、とりあえずは、75円前後あたりまでが押しの目処にはなる。

ただし、豪ドル円はなかなか下値が堅い。
それはなぜかというと、またも円はあまり関係がないはなしだが、投機筋がAUD/USDのターゲットを1.08あたりに置いているから。現在、1.07あたり。そこまでどうやっても届かせたい投機は、よほどのことがないかぎり、これを手放さない。ただ、これを諦めて手放した瞬間に豪ドルのタガは外れ、豪ドル円の夢の時間は終わる。……またも可愛そうな円。幻通貨の真骨頂発揮である。
何度も言うが、そもそもJPY=USDなので、USD/JPYなんて、USD/USDでいいと思うんだが……。それならAUD/JPYなんてクロス通貨は、AUD/USDとなって、ずいぶんわかりやすくなる。

さらに、その暴落がリーマンショックの再来のような大暴落のはじまりで、すさまじくダウが下げ続けるならば、60円割れはぜんぜん遠い世界ではない。

そうなると、いまの高金利は4%代で打ち止めとなり、今後は利下げがふたたびはじまらざるを得ない。

オーストラリアが悪いわけではない。オーストラリアは比較的良好な印象。問題は、アメリカでありドル。

世界最大の国家が、これまで世界最大のインチキを繰り返してきているわけだから、そのメッキはふたたび剥がれる可能性が高い。

リーマンショックで一度剥がれたメッキのときに、まともな改革を行わず、ふたたびメッキを貼ってきたしわ寄せは必ず来る。

メッキはメッキ。

しかもリーマンショックは9月。

今日から9月。

アノマリーからしても、かなり危ない時期にさしかかってきている。