いろんな市況をみるにつけ、誰も彼もがドル買い

111.60アッパーを守って以降の上昇は
昨年のトランプ相場ほどではないにせよ、なかなかに強烈で
いつのまにやら3円あまりもの上昇で、114円ミドルを軽く越えてきている。

113円を超えたあたりから
またもドル買いの見立てを再開するアナライザーが増えてきはじめた。

要約すると、そろそろドル円の下落調整は終了で
これからいよいよドル円の上昇相場再開、という話である。

昨年の秋からのドル円101円あたりからの上昇に
当初は誰もが懐疑的であった、

それが、105円、106円、107円と、次々と上値を塗り替えていくごとに
ドル買いの相場観を示す人々がにわかに増えはじめ
110円を超えた段となっては、
為替相場においては、ドル高で相場で語らないとアホである、
かのような空気が完全に蔓延した。

そしてドル円は118円を超えるまでに至る。

110円を超えてからドル買いに相場観を転向したとしても
そこから8円も上を取れているので、
十分なバジェットである。

それはともかくその後。

ドル高相場観を全力アピールし続けるアナリストたちは
いつしか120円あたりをターゲットとすることが共通認識のような状況となった。

それが年初から111円ミドルアッパーまで下落しているので
118円ミドル越えからは7円以上も下落している。

で、いまは114円ミドルあたりとなるのだが、

115円より上からにわかで買ってきた欲豚どもについては
現時点でもまだ含み損で
118円より上などを買ってホールドしていたさらなる欲豚については
まだ3円以上含み損である。

で、現在の“プロ”と称される方々のほとんどの見立てでは
ドル円もいよいよ底打ち、だとそうである。

個人投資家レベルのブログなどを読んでみても
やはり基本はドル買いである。

そこで昨年からの流れをあらためて振り返ってみる。

トランプ相場と称される上昇は
101円あたりを底にして118.60あたりまで、およそ18円上昇した。

年末に向けてこの高値を維持してきたが
その伸びはほぼ1ヶ月あたりで達成され
歴史に残るほどの急上昇であったと思う。

そしていまそれが111円ミドルアッパーまで押してきた。

単純な話

101→118→111

みたいな話である。

このトランプ相場が後に続くドル高相場を予見するアップトレンドであるなら

101円から17円上昇、そこから7円、
だいたいフィボナッチの38%戻しの押しで再上昇、
といった感じか。

であるとするなら、押し目からの上昇は
起点の上昇の値幅分まで伸びてもいいわけで

そうなると

111円ミドルアッパーからの17円上昇
となれば、ターゲットは

128円ミドル、ということになり、

アベノミクス相場の高値125円代をもはるかに上回る公算となる。

ただこれと逆の見方をしてみたとき

アベノミクスの円安相場が終了し、円高相場が再開
という見立てに立てば

125.80アッパーあたりが最高値となるので
それが99円割れあたりまで円高相場で下落したが

これを単純に99円とみたとして

下落幅は26円ほど

これがトランプ相場で99円から118円までとして
およそ19円上昇したのでこれを戻りとみて

アベノミクスの上昇の起点を
黒田バズーカ第二弾の位置とすれば100円あたり
もっと起点にさかのぼれば77円あたり

前者だと、およそ26円、後者ではおよそ50円ほど上昇しているため

118円ミドルを戻り高値とみれば

前者の場合でもターゲットは92円あたり、
後者の場合でみれば、ターゲットはなんと68円

といった形となる。

これがテクニカル分析で見た円安、円高の方向性である。

で、今後、ドル円が128円から68円か
どちらに向かうだろう、と考えたとき

個人的には68円という円の史上最高値に届くかどうかは置いておいて
128円はないと思っている。
そして92円あたりは、十分に到達可能なレートだと思っている。

これは数ヶ月スパンの話ではなく
ことによればもっと長い年月を必要とするかもしれないが、
少なくとも5年10年もかかるような話ではないと思っている。

個人的にそもそも現在のドル高に懐疑的なのは
昨年秋のトランプ相場の上昇自体が、
行きすぎたものであると思っているからだ。

為替史にも残るほどの速度と上昇幅を
大枠でのトレンド判断の部分としてみるのには、どうも釈然としない。

もちろん、結果として、この上昇によって
あらゆるレジスタンスを突破し
テクニカルアナリストとしても上昇トレンドを見立てるしかなかろう。

しかし、そもそも昨年の17円上昇の値幅をまっとうなものとして見ている
という大前提からして、どうなんだ…と思う。

トランプ相場はドルショートの損切り損切りを巻き込み
いつのまにやら118円も超えてしまった。

相場がすべて正解、というなら
この上昇も正しいもの、ということにもなろう。

ただ、相場が正解、という言葉とともに
市場は常に間違う、という言葉もある。

為替相場に果たしてまっとうな値幅、というものが存在するかはともかく

トランプ相場での上昇が、せめて10円くらいで止まっていれば
現在の市場の景色もずいぶん違ったものとなっていただろう。

まあ、こうした何度も何度も同じ事を書いてはいるが、本日の相場である。

今日もこちらはドル売りである。

昨日のNYの上昇に
案の定、東京はニワトリ追随し律儀に高値を更新。

NYが全力買いしても安心安定の東京スタイルである。

NY勢はここでゆったり利食いしてもよい。

ただ、本日の東京勢は高値追いに躊躇があるようで
NY高値を若干しか抜けない、114.50アッパーあたりで
速攻売りで切り返してきているので

この高値をバックにショートしていたであろう
逆張り東京ショートを刈りに走るロンドンアニマルを待つのも一興。

そんな公式にぴったりはまるかのように
ロンドンアニマルが躊躇する東京勢を刈るという
いつもの東京刈りでさらに高値を更新。

で、114.60アッパーまで。

ここからまた切り返す、という形で
NY勢にバトンが戻ってきた。

ここから、であるが、

損切りを狙うとするなら、
いま短期的に溜まっているのはロングである。

しかし、そうしたグリード短期をせず
さらなるドル買い、を行うとすれば
NY勢にいま残されているのは、自家発電的な買いしかない。

と思った矢先、今夜の指標発表結果によって
ドル円はまたも吹き上がった。

日に日に吹き上がる値幅が大きくなっている。

今度は114.90アッパーである…。

本当にNY勢は…どこまでもやるのか…。

本日、東京勢が作った逆張りショートの損切り
ロンドンアニマルが食らって、ほぼボリュームが失われた。

ロンドン以降、114.60アッパーから114.40あたりまで調整したが
これは、ロンドンアニマルのショートというよりは
東京刈りで仕掛けたロングの利食いであろうと思う。

新規のショートをロンドンアニマルが積んでいるとすれば
それはすなわち仕掛けを意味し、
そうなればもっと下落幅があってもいいはずで、
たかだが20pipsあまりのはずはない。

ここでNY勢がさらに買いに走るとすれば
にわかショートを刈りに行く、といった了見の話ではなく、
もはや買いに買いを重ねていくのみのロングである。

上をどこまでも追っていく。
強欲のおさ、さすがはNY勢である。

しかし、その買いの勢いがどこまで続くか。

いまよりはるか以前のショートの損切り
行ってみれば115円アッパー、115.3、115.6
あたりまでをも食らっていくかのように

もはやショート損切りの買いカバーのないなかで
ただただ買いに買いを重ねていくのだろうか。

であるとするなら、ドル円は今後も上を目指して行かざるをえない。

かくいう自分は、
114.60アンダーからショートしていたが

指標発表の吹き上がりでまたも損切り

一端押して、高値更新…

などと、毎回毎回同じパターンが起こるとも思えず

またも売り。

115円はさすがに超えてこないと信じたい。
…と、信じる、などと相場で語り出したらお終いである。

ということは重々承知のショート。

これすら刈られてしまうなら、もうどうしようもない…。

□ポジション
USD/JPY  S114.934