ユーロドル、ついに決壊。今後の注目はユーロ円。
ユーロドルはついに数年来保ってきたサポートを割れ、1.04ミドルアンダーまで沈んだ。
もともと少し前あたりから、10年レベルで引ける、超ロングアップトレンドを下抜けてはいたが、
斜線のみならず、水平線からも完全にユーロドルは下に沈み込んだ。
ここから先のユーロドルはもはや底なしに等しく、パリティももはや通過点に過ぎない。
今年、どれだけドル安が進もうとも、トレンドを作らずにいたユーロドルだったが、
ついにトレンド発生の兆しである。
しかも下方向。
こちらは長年、どちらかというとユーロドルの上昇をイメージしていたが、
それがもろくも崩れ去った。
月足レベルのサポート割れなので、
テクニカル的な基本で言えば、ユーロドルのターゲットはパリティを軽く下に割れて行く。
こちらがこれまでユーロドルの上昇を見立てていたのは、ドルの価値を信じていないからだ。
つまりドル安である。
ユーロはもともとロクでもないとは思っていたが、ドルはそれを上回るロクでもなさ、と思っていたのである。
しかし、昨夜のドルの利上げにより、
緩和を続けるユーロより、ドルの方がまだマシ、という方向となってしまった。
とはいえ、ドルの上昇についても、自身はいまだ懐疑的なため、
今後のイメージはユーロの下落、ドルの反落、という組み合わせとなる。
ドルはいまだに強気地合いをやめないが、
やがてドルが反落したとき、今後、最も妙味がありそうな通貨は、
個人的にはユーロ円ではないかと思う。
ドル下落、ユーロ下落、となれば、円買いユーロ売りが最も強まるのは必至で、
今後、最も値幅が期待できるのは、
ユーロ円のように思えるのだ。
ここのところのユーロドルは値幅がない年月であったが、
かつてのユーロドルは100pisくらいはビュンビュン動いていた。
その際に、ユーロ円は2円3円平気で追随して動いていた。
いつ頃の話だったかといえば、
ユーロドルが史上最高値を目指していた、アップトレンドの時代である。
この頃はリスクオン全開で、欧州通貨買い、ドル買い、円売りで、
ユーロ円は2円3円、簡単に1日です動いていたのである。
いまはドル買いが進行しているが、
ここままユーロ売り、ドル買いとなる、イメージがやはりどうも浮かばない。
かつてのリスクオンの写し鏡的に対照的に見れば、
今後は、ユーロ売り、ドル売り、となるように思える。
となれば、円もまた、かつてのリスクオン時の逆で円買い、となるというのが、
いまだ堅持している見立てである。
重要なサポートを割ってしまったユーロに、もはや上昇の芽はほぼない。
ゆえに今後、ドルが反落しようとも、ドルストレートとして、ユーロは素直に上には反応しにくくなるはずで、
必然、ユーロ円はドル円以上に下落するということとなる。
今後、ユーロドルがパリティとなったとに、ドル円が125円なら、
ユーロ円も125円ということになるが、
ユーロ円から相場を眺めたとき、
そこまでユーロが下落するなら、
ユーロ売りから、円が買われてしかるべきである。
そうなれば、ドル円においても円買いが派生するはずで、
ドル円だけがビュンビュン上がることにも限界があろうかと思う。
現在はトランプ相場のドル買い地合いのため、
ユーロへの注目が薄く、
ゆえに、ユーロ円の動きは、
ドル買いからの円売りの流れに引きずられていたが、
今後はそうもいかなくなるだろう。
最近のドル高相場にうんざりしていて、
相場から離れ気味であったが、
ようやく少しまともに勝負する気になった。
もちろん、ドル売りではなく、
ユーロ売りである。
ユーロも根本的にはまともな通貨と思っていないため、
ドル買いには躊躇があるが、
ユーロ売りには躊躇はない。
むしろ、積極的に売っていきたいほどである。
ドル売りが行える日はまだまだ訪れそうもないが、
当面はユーロ売りをメインに相場を見ていこうと思う。