日本はそもそも円高に苦しめられているのか

スイスフランがマイナス金利を導入するのは
自国通貨高に悩まされているからである。

翻り、日本。

118円の水準が、日本にとって過度な円高か。

現在、ようやく一息つきかけていた、一般的な!、日本を日本人を

もともと70−80円台から3割近くも自国通貨の価値を毀損してきたのが
現在のドル円である。

125円あたりまで上り詰めたドル円は、そこをトップとして
115円あたりまで円高が進んだ。

125円から比べればもちろん円高である。

しかし、80円台あたりから異次元緩和とやらで上がり続け
120円を超えてきた円が、115円になったところで円高か。

現在は過度なほどの円高であるといえるか。

数年前、日銀が金融緩和をはじめたときは
追い詰められてという意味ではなく、
主体的に、円を安く誘導するバズーカを放った。

その勢いは、欧米のいかなるグリードの逆張りをも粉砕し
東京勢が主役となる、まさに円安相場であった。

現在の地合いは、かつてとは全く異なる。

欧米は数年前の日本側の金融政策の威力のトラウマでもって
現在も、円安の波動を打ち破れないでいる。

その恐れが、あのロンドンアニマルですらも
逆張りすることを恐れさせている。

欧州株は、本日の日銀の金融緩和から上昇の気配を描く。

しかし、冷静になって考えてみてほしい。

経済情勢の地合いはなんら変化していない。

金融政策の刺激を除けば、
世界の経済は、実体的にはなんら好転していないのだ。

日銀がマイナス金利を導入したからといって
欧米の経済の実態が好転するわけではない。

そのまやかしに気づいたときに、
現在の株高、円安の熱狂は終わるだろう。

いや、そのまやかしにはとうに気づいているのかもしれないが
気づかぬふりをしている。

現在のトレンドにあらがうことができず、相場についていくしかない、
というのが実際なのかもしれない。