地獄への道

久しぶりの更新である。
最近は、ほとんど仕事に忙殺され、更新ができていない。

目下のドル円の話題は、
日銀の黒田総裁の発言云々である。

その以前にはオバマ大統領の発言もあったが

要するに、これ以上の円安は容認しない、的な話題である。

本日の流れは、本日の黒田総裁の新たな発言を買って
ドル円が上昇気味である。

世のアナリストどもは、
以前の黒田発言は失言であったとか
以前お発言の修正であったなどと論評する。
要は、ドル円の上昇が今後も起こりうるといったような擁護発言である。

自国通貨が安くなることは
もちろん、輸出企業にとっては追い風であるが
マクロな意味で、国家としては亡国の一択である。

自国通貨安で崩壊した国家は、歴史上数々あれど
自国通貨高で崩壊した国家は、ほとんど前例がない。

円安修正が誤りで、今後も円安が進行する、などという見立てを立てるのは
亡国への一里塚である。

無論、自国通貨安によって輸出企業は潤うであろうが
世界に冠たる輸出企業であったとしても、
所詮は外需に頼る、出稼ぎ企業である、というだけにすぎない。

現在まで大きく国家価値を毀損し続けてきた円安スピードが
ようやく収まってきたところで

それらをあらゆる理由から否定することは
ある意味で“売国奴”に等しい。

今後、ドル円が200円、300円と進行し
牛丼一杯でも1000円かかる、という国が
はたしてまともな国か。

エネルギーしかり、食料しかり
自給率が心許ない日本は、輸入国家である。

そこに円安を加速させるということは
一部の輸出メガ企業、もしくは国内軍需産業などの収益を除けば、
国民総貧困への道しかない。

ミクロが潤おうとも、マクロが疲弊すれば
ミクロの潤いもやがて、毀損される。

これだけは断言できる。

円安を容認し、自国通貨安を進行させ続けようとすることは
地獄への第一歩である。

ようやく止まりかけた円安を、否定しようとする
当局ならびに、あらゆる周辺勢力は
現在は誰も感じてはいないかもしれないが、

未来に向けの私たちにとって、許しがたい犯罪的な売国奴どもである。

本日は、どうしても我慢ならなくて書き込みをした。

黒田総裁の本日の発言が
以前の円安修正からの訂正だとか以前の発言が失言だとか
述べる輩は、それが純粋な分析にもとづくアナライズであったとしても
とうてい許しがたい分析である。

個人的に、皆、気づいていないように思うことがある。
ここ最近、世界のトレンドは通貨安競争の地合いである。

いずれの国家も自国通貨安を望んでいるように思える。

しかしながら、立ち止まって考えてみたとき
一般的な国民生活において
基本的に自国通貨安で救われることはない。

一般国民が報われるのは
間違いなく、自国通貨高である。

いま世界は株高だ、好景気だ、などと騒ぎはじめている節があるが
実はいまは、リーマンショック以降発生している
自国通貨安の圧力にあらゆる国家がさらされている。
さらされている、というよりは、あらゆる国家が
それを望んでいる。

一見、株高が好景気の証のように思えるが
目下成熟した大企業にとっては
株高がもたらした彼ら企業の収益は
株主への還元、もしくは内部留保へて流れるのみで
多くの国民の利益には決してならない。

株高が企業収益に結びつき
それらがあまねく国家、国民に還元される
という時代は、すでに終わっている。

成熟したあらゆる大企業を株式相場から排除し
これからの企業を支援する金融市場となるならばともかく
現在の株高は、なんら一般国民への利益とはならない。

その意味では
現下の株高など、一部投資家や大企業を除けば
なんら意味などなさず
むしろ多くの国民市民たちにとっては
株安の方がまだましだ
ということになる。

その意味で、現下、世界の人々があまねく豊かさを得るためには
ドルが地の底まで下落し、
世界総株安、あらゆる通貨高がよい。
というパラドックスか成立する。

かくまでに資本主義は限界まで成熟し矛盾を得るまでとなってしまった。

これが個人的に思う素直な感想である。