株を投げ捨てたい人たちが徐々に…

グローベックスの下げ基調は完全に止んではいない。

当然である。

皆が忘れているように見えるが、
現在の欧州問題もしかり、中国経済の失速もしかり
あらゆる世界経済の不安は

他ならぬ、アメリカの強欲が招いた
サブプライム問題に端を発する金融危機である。

その当のアメリカの株が
他の諸国の株式に比べ
ありえないくらいに上昇し続けていた。

まさに皆が買うから買うと言った具合で
たとえ、世界の“真実”を知っていたとしても
その時期に売りに入ろうものなら、
世界経済がどうなろうと知ったことではない
人間のくずたち(と私は断言する)が寄り集まった
トレンドフォローによる、買うがための買いの押し上げを食らい
殲滅されてしまう。

やがて恐れをなした売り方はなりをひそめ
現下の世界情勢を一切無視して、
買い保有する者や追随の買いに走る者だけがうまいめを見るという、
世の中では通常あってはならない
正直者が馬鹿を見る時が流れ続けた。

そして今だが

グリードにグリードを繰り返し
13000より上あたりから買い上がりながら
いまだ損切りを置かずにいた輩たちは

軒並み含み損に苦しめられているはずだ。

損切りするとしても、

即座に投げればいいものを

いつ投げるべきか、などと
この期に及んで、戻りを待ったりする欲が出る。

人間の愚かさである。

だから、今のグローベックスは
戻りが来るたびに大量の売りが出る。

そこを狙って、空売りの投機も戻り売りをかけてくるので
戻りがあるたびに安値を更新し続ける。

こうした加速が発生すると
もはやオシレーターなどのインジケーターはあまり意味をなさなくなる。

株を投げたいかつての強欲たちは
もはや値動きしか追っていないだろうからだ。

ただ、一本調子に進む相場はない。

この損切りの恐怖と、投機の追随が止んだ頃
相場は一旦は反発するだろう。

今後、奈落の底まで落ちるだろう米株であっても
各所で調整はあるだろう。

その調整を狙うがゆえに、現在私はドル売りをかけている。

ただ、調整は所詮調整である。

一端、調整がはじまると、数日、事によっては数週間
それが続くかもしれないが

米株の未来は下落しかない。

これまでは世界に先んじての独歩高を演じてきたかもしれないが

今後、米株は独歩安を演じることにさえなるかもしれない。

現在の粉飾に粉飾を重ねる当局のやり方を見ていると
そうした未来以外描くことはできない。