ここ、というところで伸ばす。

円売り相場もそろそろやばいように思っていたら

ドル売り円売りのさらなる押し上げが進む。

もうここ、というところをさらに伸ばしてくるのが
欧州投機筋の典型的なポジショニングである。

要は、ストップロスを突いてさらなる上げを誘発させようとするのだ。

トレンドが走る理由は諸説あるが
私が最も説得力のある説だと思っているのが

ロスカットの連続による一方向のポジションの偏り

という説である。

現在は、上にも下にも逆指値のポジションが固まっており
上方向にポジションが解消させられているというのがいまであろう。

現在は安値と高値がともに切り上げられ続ける
展開的なアップトレンドの様相を呈している。

オシレーターダイバージェンスを示しつつ
高値を追い続けて、株価は高止まりしている。

いま逆張りを入れる行為は自殺行為である。

現在は上昇過程の中休みの状況にあり
ここで逆張りを入れてくる連中のロスカットをさらに刈ることで
上昇を狙おうとする、危険な相場付きである。

現在は短期的なユーロ買い戻し材料(ECBの債権買い入れ問題)が
未だワークしており、
この期待が剥がれない限りは、テクニカル的な上値追いは
まだまだやみそうにない。

現在の中心相場はユーロドルであり
目下ブル筋が狙いを定めているのは
最も大きなロスカットが密集する1.245アラウンドであり
それを破ってきた。

1.245を超えたところから、
ここをフェイリアーと見立てての利食い勢や、
そこからの逆張りの売り方も登場するだろう。

テクニカル的には直近の高値越えで、順張りする好機である。

しかし、私はここをだましと見て、逆張りの売りをかけた。

無論、1.245アッパーを明確に上抜いてきたとしたら
年度の後半は、ドル売り相場が鮮明となり
ユーロ崩壊劇場という“フィクション”は、一端終わりを見せる気配が漂う。

しかし、私はこのまま上値を追い続けるとは思えない。

まず、ユーロは明確なダウントレンドを5月以降形成してしまっており
それを反転させる状況は生じていない。
つまり、ファンダメンタルズからの変化はなにも起こっていない。

1.245へのアタックは、単なるストップロスの狙いであって
そこから上を追っていく根拠は、“テクニカル”以外の理由がないのだ。

欧州の地合いはなんら変わってはいない。

では、ファンダメンタルズのみから逆張りをするのかといえば、そうではない。

ここで逆張りをするテクニカル的な根拠がなくはない。

テクニカル的に見て、明確なロスカット1.245を抜いた今となっては
さらなるロスカットが上に見当たらない。
つまり、ロスカットによってトレンドが走るとすれば、
上値を追う根拠がもはやない。

チャートから見立てているのとはちと異なるが
ある意味でレジスタンスの突破というチャートから読み取った
その先は、見えないチャート。
おかしな表現とはなるが、現在のチャートの買いシグナルという部分を
あえて無視するという“チャート分析”から見立てれば、
これ以上、上値を追うことはできない、という判断する。

さらに、現在のチャートからの判断を見たとしても
ユーロドルはこれまで調整の戻りが発生した場合
4時間足で+3σに届くほどの波動は陽線2本以上作れた例は、
これまでほとんどない。

現在、一本調子で上昇してきたユーロドルであるが
すでに4時間足での+3σを押し出すエクスパンションを2本作っている。

さらには、また別のオシレーターから見たとき
イリアムパーセンテージからの見立て
日足レベルで、買われ過ぎから−30レベルの下回り
−70を目指す過程で早々に反転のめくり上げが起こり
各時間足でダイバージェンスを発生させての、ねじれた動きが生じている。

これらを勘案すると、
現在は、投機筋がロスカットを狙った
最後の買いのオーバーシュートであると見る。

ゆえに私はここから、再びのリスク回避にベットする。

欧州当局の狙いは、危機の回避を行いながらのユーロ安である。

ドル安相場の地合いにありながら
そうしたご都合主義なワークを
数年来に亘って“立派”にこなしてきたのが、欧州である。

ユーロの崩壊など、まずあり得ないと、個人的には思っているが
本当に崩壊させないためには、逆説的な話となるが
もう一段のユーロ安を必要としているように思う。

1.20から開始されてきた、ユーロの楽観相場が再び頭を打てば
ふたたびの下落トレンドが再開される。

そして、
これまで8月のアノマリー個人投資家が買ってきた円も
このあたりで、相当ストップロスされてきている。

このあたりが潮時である。

だから円を買っている。

円ベースのトレードはいつも裏目に走り、
相性が本当によくないが、今回ばかりは違うと考えたい。

たとえば、99円まで素人の“生き血”すすって伸びてきたユーロ円も
下落が再開された場合のターゲットは、
年初来安値まで考えられる。

ひとつだけ心配なのは通常の相場で
天井の打った瞬間の切り返しは、実はとても早い。

その意味で、ユーロドルの切り返しがいまだなく滞空時間が長すぎる。
逆張りの売りをかけるには時間がありすぎで、
こういう場合は、さらなる上げを見立てが踊り場である場合が多い。

滞空時間が長ければ長いほど、素人の逆張りが溜まっていき、
そのロスカットを狙ってさらなる投機の買いが入りやすい。

日本時間午前0時までにすばやい下げを発生させ
現在の投機のロングをロスカットできるくらいでないと
現在の切り返しはやや遠のき、投機筋に最後のひとあげが狙われ
現在のバイイングクライマックス(?)が、
次の一波まで持ち越しとなってしまうこととなってしまうだろう。

ただ、さらに上値を追うとしても、
次の一波か次の次の一波がバイイングクライマックスとなるように考えている。

ユーロ崩壊劇場という“どフィクション”はまだ終わってはいない。
こんなところで底打ちをさせようとなど、欧州当局はさらさら思ってはいない。

長期的にはドル安の見立てには変わりないので
最終的にはユーロは、
当局が悲鳴を上げるまでに暴騰する日が来るだろうが
その日はまだ先の話である。