現在の注目はポンド

ユーロの短期中期での反転の見立ては1.24を割り込んだ段階で見事に外れ
その走りは、年初来安値を更新するに至った。

はずれもはずれ、大はずれで、まったくもって面目ない限りである…。

目下、注目しているのは、以前に既に伝えたが、ポンドであり
ポンドドルを現在1.543あたりから保有し、いまは様子を見ているところである。

ポンドドルは個人的に節目と見ていた1.556を一旦ブレイクし、上昇を期待させたが
そのやや上で失速を見せ、
やはりのユーロの下押しからドルが買われるにいたり、
木曜に一旦下押しがきつくなってしまったが、
金曜はポジション調整もあり再度の上昇から一旦戻ったようだ。

これはダウのちょっと不当なまでの上昇のなせるわざで、
この勢いが来週にも持続するかどうかで、この上昇の真価が問われることにはなるだろう。

ただ、この上昇でポンドドルはまたも1.556越えで、
その後の動きは、またもユーロ次第のようにも思う。

現在のドル高は、あらゆる理由をさておいても
ユーロ安の相対がもたらしている要素がかなり高い。

ユーロはもはやあらゆる戻しをテクニカル的な調整だ、
とアナライザーたちにどや顔で一蹴されるほどの弱さとなってしまっていて、
真の反転には、ファンダメンタルズの助けが必要な事態になっている。

無論、テクニカルがファンダメンタルズに先んじる場合もあるが
それは、テクニカルの戻しがオーバーシュートし
その流れのなかでファンダメンタルズが発生するという時間的タイミングの話であり
こういうこともままあるが、

いまのところは、テクニカルがファンダメンタルズに先んじるほどの
オーバーシュートの反騰を見せる兆候は薄い。

ただ、アナライザー諸氏の言い分もわかるが、現在のショートの連打も
テクニカル的に繰り返されてるとしか私は思っていない。

アナライザーたちは、したり顔でユーロの弱さや
テクニカル的な売りの好機を上から目線で開陳するが、
自分たちは、このユーロ安に便乗しているハイエナたちであり
マネーゲーム虚業に勤しむ実体経済になんら貢献しない輩達であると認識し、
もう少し謙虚な姿勢でものを語れないものか、といつも思う。

彼らは金はあるので、豪奢に着飾ることはできるし
セレブな生活を送っている者もいることから、金銭的には上級かもしれない。
ただ、彼らが、テレビや新聞、ネットでも仕事をしていることから、
アッパーな階層の人間かと言えば、
社会階層の質としては、極めて低位にあるという現実を知っておくべきである。

マフィアでさえも、金があるからと行って、自らを社会で上等な種族だと思っていない。
金融にかかわる人間たちは、そうした“無知の知”さえないように思うので
インテリジェンスとしても、きわめて、下層である。

金融業に関わる人間は、組織に所属していようがフリーで活動していようが、
実体経済への融資活動部門の銀行(投資部門は×)、保険関係を除けば
投資活動に邁進する限りにおいて、
すべて、社会の富という蜜をすすっているアリに等しい。
ただ、アリは生態系に貢献しているので、
そのたとえはアリにも申し訳ないほどだが
そのアリの涙ほどの貢献すら、実体経済にはもたらしてはいないという意味で
彼らは引きこもっていないだけの、ニート
つまりアクティブニートである。

どや顔してユーロや世界を語る前に、
アクティブニートたちには、
そうした実体経済の富という“親のすね”をかじっているだけ、
という現実をもう少し真摯に受け止めてもらいたいものである。

話が大幅に逸れてしまったが、
ただ、彼らアクティブニートはそれが“本業”なものだから
忙しく働く社会人に比べれば、
無論、相場判断の精度はあるていど的確ではあるだろう。

ユーロ当局が小出しのせこい対策ばかりしか出さないものだから、
上昇のきっかけがつかめないまま、サポートを割りに割り続けてしまったのが
ユーロのいまであると思っている。
とにかく、レンジを作らせないような、作ったとしてもそれを上抜けさせず
下抜けさせるような絶妙のタイミングで
チャーチストには売るしか選択肢がない、と言えるまでにユーロ売りをさせている。
まあ、ユーロ安はトレーダーによってもたらされるので
当局とトレーダーとの連係プレイのようにも思えるが、ともかく、
ユーロ当局の“ユーロ安政策”は、芸術的なまでに見事であり、穢らわしくもある。

ただ、ユーロ安に舞い上がり、ここで、みんなが健忘症同様忘れているのが
ドルの弱さである。

いま続くドル高を、後付けアナライザー(アクティブニート)たちは
世界景気の後退、などというおおざっぱきわまりない見立てを立て
ファンタジックにドル高を後付け説明しているが

世界恐慌や世界大戦でもない現下において
100カ国以上の国々のそれぞれの国柄を無視して
「世界」景気、などとくくって景況感を説明するのは、居酒屋の戯れ言に等しい
おおざっぱきわまる見立てである。

私の見立ては、ユーロ安がオーバーシュートに等しく売られている状況から
ドルがオーバーシュートに等しく買われている、という風に思っている。

このしわ寄せが、その他の対ドル通貨に派生していると思っていて
それがポンド安や豪ドルの下押しにつながっているだけのように思う。

ユーロが大きく上昇するには、やはりファンダメンタルズの助けも必要ながら
そろそろドル売りも起こってしかるべきに思う。

いまドル買われているのは、ユーロが売られているからだけ、と思うので
この圧力が緩和したときには、必然的にドル売りが再開し
ユーロはともかく、その他通貨が買われていくように思う。

その筆頭としていま注目しているのがポンドである。

豪ドルもまあ、魅力はなくはないが、
すでに充分に買われてて、上げ余地はポンドよりはないように思う。

ドル売りというのが、ファッションに変わってきたあたりから
それに押されてユーロも上昇を再開するように思う。

そうなれば、しばらくのテクニカル的な戻しが発生し
その間に、ユーロで好材料が発生したとすれば
テクニカルがファンダメンタルズに先行した、ということにもなるだろう。