EURは下げない! (その2)

以前、同じタイトルで、思い切り予想を外したが、今回も再び同じ予測。

ただ、今回は、前回の中長期的な信念とは少し趣が違う、短中期な予測である。

現時点の予測は危ないと書きつつ、いきなりの話だが、ちょっと短中期的な相場観がなくはないので、あえて予測を立ててみたい。

本日、すでに

「さらに、ユーロは1.388アラウンド金曜高値を明確に超えて1.4を目指す、などという予想は、いま言っても意味がない。丁半博打のようなものだ。たとえば金曜日の孕み足のような状況で、その上下がどちらかかというのは、本当にギャンブルだ。」

と書いたところだが、この方向をあえて予測する。

ギャンブルチックなところもあるが、金曜での相場つきから、実は、予測できる根拠がなくはない。

まあ根拠と言えるほどのことでもないが、自己の相場観の記録としても、以下記録しておきたい。

現在の短中期的な趨勢は、
金曜日発生の孕み足、1.388アラウンドと1.375アラウンド、そのどちらを抜くか、にかかっているといっても過言ではない。

現実として、その抜けた方についていく、というのがトレードのセオリー(順張りの場合)なのも充分承知している。

それをあえて、事前にいま予測するわけだが、
来週、それは月曜日か火曜日かわからないが(また月曜日孕む可能性もなくはないので)、孕みを上か下かどちらに抜けるか、ということで考えると、

上に抜けると見る。

厳密には、たとえ、一時的に下に抜けるとしても、それはダマシとなって、上抜けが本当の方向になると見る。

金曜は、日足陰線で終えている。
しかし、だからこそ、カウンターで上げて、孕みの上限を抜いてくると見ている。

これは自身がロングを保有していることの、願いやポジショントークからではない。

私は相場では願うことはしない。相場で人が願うとき、人は必ず負ける。
神でもなんでもいいが、そういう願う対象がもしあったとしても、私はその対象には願うことをせず、もし何かを願うとすれば、見守ってほしいとだけ願う。

相場で成果が得られたとき、もし神のようなものが存在するならば、そこに感謝だけを捧げるだろう。

私にとって、相場で願うということは、自身の判断行動を放棄し、他力本願に走っているだけである。願いはそのまま思考停止を意味し、負けへの片道切符となる。

話を戻そう。

金曜日、孕み足の日足の形状は陰線である。ただし、週足は陽線。これは意識したい。

とはいえ、陰線陽線は連続しやすいので、陰線は続伸しやすい、そうなると、日足は陰線を継続し、そして直近安値を下抜けるという可能性ももちろんある。

しかし、日足陰線での終了が金曜日であったことが問題である。

月曜のオセアニアンはたいてい、順張りで突っ走る。

先週の月曜がいい例だが、下落で追えた先々週の金曜から、さらに下値アタックしてきた。

では、今週も順張りか、となると、それは違うと考える。

先週の月曜の話、強烈な順張リストオセアニアンの売り攻勢で下げ足を極めたEUR/USDは、1.35を瞬間少し割り込んだところで、突如反転、以後は戻りの一週間となった。

結果的にはこれで売りの順張り、戻り売りでの逆張りを行った人、ともに負けたわけだが(私は幸い、うまくエスケープし、ドテンで両方取ることができたが)、同様のことは実は非常に多い。

大きな例で言えば、8月朝方の逆指値ぶち抜きのロスカット連打での瞬間的な円高進行(後に介入まであった)も、NY市場からの下落波動を、超順張りで、オセアニア時間がさらに加速させた。

よくある例で言えば、先々月の雇用統計も、上昇波動で追えた後、月曜はオセアニアンの強烈な順張りが来て、高値を追っていった(しかし、そこを頭に今度は週初から下落に転じた)。

つまり、オセアニアンは強烈な波動を発動させうるトレンドを引き受けた場合にかぎり、強烈な順張りをかけてくる傾向が強い。

では、金曜は強烈な方向性を示唆する波動があったか。

孕み足を作るほどだから、だらだらした展開だ。

となると、オセアニアンとしては順張っていく根拠が弱い。とはいえ、カウンターで逆張ることも彼らはしないから、上にも下にも行きようがないという状況が継続される。

それによって、まずオセアニアタイムの下割れの可能性は遠のく。

ただ、もしも、オセアニアンが月曜に強烈に順張った場合はどうか。
たとえば、窓開けをして、朝方早々から孕みの下を抜いたとする。

これでも結果は同じこととなるだろう。

先の例、

先週の月曜、1.35を割り込む強烈な窓開け→反転
8月のロスカット狙いの急速な円高進行→反転(ただし、介入の援護つき)
先々月の雇用統計後からの、上値追い順張り→反転

であるように、こういった、強烈な順張りは結果的に失敗しやすいのだ。

私にとっての、鉄板に近い傾向は、


オセアニアタイムにはトレンド転換を作る力はない。アジアタイムにはトレンド転換を作る力はもちろん、天底を作る力もない。


というものがある。
アジアはあくまでもトレンドの進行の踊り場に位置しているのみで、トレンド転換やトレンド継続(再度の底割れ)を本当に作り出すのは、アメリカ、よくて欧州ということである。

ならばこうした反論は成り立つ。

先週月曜の1.35からの切り返しはオセアニア・アジアから始まった。となれば、そもそも先週時点でいまの下げトレンドの転換はできていないのではないか、と。

もちろん、その推測は成り立つ。ただし、長期的に見れば、逆にこうともいえる。

まだユーロのアップトレンドは継続しており、ここ最近の下落こそが、アップトレンドの押しであり、そもそもドル安のトレンド基調は転換していない。

私はこちらの推測の方がしっくりくる。

よって、ユーロ高の信念が一旦は崩されたが、それはやは短期中期的な押しが入っているのみで、やはりユーロ高はまだ続くのではないか、という仮説は成り立ちうるのである。

短期、中期、長期で見ると、トレンドというのは異なってくる。

現在の私のユーロの相場観は、長期的にはアップ、中期的にはダウン、短期的にはアップというイメージだ。先日、見事に予測を外したユーロ高の継続は、中期でのアップトレンドの崩壊であり、長期的なアップトレンドも転換させようとするトレンドのように思えた。しかし、その後の流れ、短期的なトレンドの転換基調などからが、中期的なトレンドをまたニュートラルな状況になろうとも見える。

とにかく、先週の月曜の切り返しから、欧米勢はさらに走らせ、短中期的には戻りのアップトレンドを再び発生させつつある、というのが現実である。

つまり、私としては、トレンドは短期的にはまだアップトレンドであり、中期的にもその流れを派生させるような地合いがあり、特に短期に限れば、現在のアップトレンドは完全に転換されていないと見ている。その上で、オセアニアタイムが新たな方向性を作り出すとすれば、オセアニアが短期のアップトレンドを完全に終了させたということになる。

こういうことも、過去なくはないが、確率からすれば、例外的な事例であり、そうなると、この予測の根本が崩れ、今回もユーロについての予測ははずれた、ということとなるが、私はそうした例外は起きないと見る。例外は例外である。

天底、トレンドの件は、また後述するとして、オセアニアンがあまり動かなかったメイン路線に戻す。

オセアニアタイムに動きが見られなかった場合、東京アジアタイムはどうなるか。

ここはますますチキンな万年枯れ相場につき、いつものレンジプレーに終始するだろう。また相も変わらずグローベックスの動きに追随し、クロス円が上下に動いているだけだろう(嗚呼、嫌になる…)。

ただ、アジア、特に東京タイムの時間も実は鍵を握っている。

鍵というか、子羊としての役割、悪く言えば欧米勢の家畜の役割である……。

これは、先ほどよりも少し弱い傾向とはなるが、


欧州タイムは東京勢を狩りたがる。


という流れが相場の世界では常にある。

そうなると、こういう推測が成り立つ。


オセアニア:あまり動かず→東京アジア:レンジプレイ→どのような方向で欧州にパスするか


東京勢はダウの追従奴隷路線でありながら、レンジ。
EUR/USDの日足は陰線。

となると、底値は割らないレベルの、下押しチックの波動をびびりつつも見せながら作っていく、下方向きなレンジという可能性が高い。

そうなると、欧州はそれを刈り上げる行動は踏み上げ、となる。

さきほどの、「トレンド転換やトレンド継続(再度の底割れ)を本当に作り出すのは、アメリカ、よくて欧州」、これがここから重要になってくる。

アメリカは金曜の相場で、トレンドの転換まで引き起こす動きを見せていない。ということは、短期的なアップトレンドはまだ継続の可能性が高く、金曜は利食いなどのポジション調整が主な下落要因だったと考えられる。そこにおまけをつけるとすれば、戻り売りでの逆張りや、いまの調整からの順張り、硬軟取り混ぜた、ユーロ安を信じてやまない、日本人投資家陣営のユーロショートの積み上げもあったかもしれない。

そういう前提を踏まえ、月曜の相場でアメリカ(または欧州勢)が、新規ポジションをどのように取っていくか、短中期的にはまだアップトレンドのさなかになる。では、日本人投資家達とともに、ユーロ売りを継続させ、トレンド転換させるか。彼らは以前にも述べたし、これからも何度も述べると思うが、私からすれば邪の勢力である。感情なき邪と心ある人間は友好関係を結ぶことはできない。つまり、私たち日本人と彼らがシンクロできる日は、まずこない。

その前提で、みんなで仲良くユーロ売り。そんな事態が果たして起こるか。

私はここで、彼らは裏切るようにロングを積んでくる可能性が高い、とみている。

かくて孕み足は完全に上抜けを演じ、それゆれ、EUR/USDは上昇は再度継続、と予測するわけである。

EUR/USDは、何度も述べている、ダウントレンドとアップトレンドの交点に阻まれそろそろ上の方に厚い壁が迫っている。しかし逆にいえば、まだそこには到達していないということである。

個人的には、短中期的にはEUR/USDがもう一度上昇をアタックすると見る。
ターゲットの目処としては、まずは、直近高値1.393アラウンドの攻防、次が1.4の攻防というあたり。

このあたりでのもみ合いでいよいよ、ロングタイムが終局か本格化かの雌雄を決するようにも思うが、そうなれば、終局感が見られれば、私もいよいよショートの準備をはじめるかもしれない。私が高値で逆張りをするなら、むしろこのあたりで行うだろう。

ただ、そのまま突き進みそうならば、もちろん上値は追っていく。

無論、この予測自体が真逆に触れれば、現在保有EURロングについては、1.3750割れを目処に、ドテンするつもりではある。


予測結論(9/17付け);
金曜日の孕み足は上抜けで完成される(下に抜けたとしてもダマシとなる)。ターゲットとしては、まずは直近高値の1.395アラウンド、次に1.4越え、最終ターゲットは1.416アラウンドまで目指す。

予想の正否は、まず1.395越え、1.4、1.416の到達具合で見る。◎または☆

現在の相場観が覆されるのは、1.3750アラウンドの完全な下抜けが第一段階。これで予想は外したこととする(▲)が、滞空時間が短く1.37を割れる前に切り返した場合は、予測はまだ有効。
相場転換の可能性が増すのがほぼ確認されるのは、1.47割れから1.46割れ(▲▲)。

直近最安値(1.3498アラウンド割れ)を更新することで完全に予想外れとする(×)。

よって、▲▲〜×の間で切り返して、上昇を再開した場合は、たとえターゲットに到達しても、予想は当たりとせず、今回の予測は無効とする(△)。

後日、☆、◎、▲、▲▲、×、△のグラデーションでその結果を検証する。