ちょっと雲行きが怪しい……

ユーロドルがちと妙なことになってきた。

ダウの戻りもあるのだが、ユーロのじりじりした戻りに誘われるように、我が国投資家勢のユーロの再ショートが着々と増加している感じがする。

相場がひとつのトレンドを形成し加速するときは、さてと、ショートというほど、戻りでの準備を取らせてくれない事が多い。

昨日まではまだどちらの浮動もあやふやで、戻りの滞空時間も短く、そこを売っていく瞬間は割りに低いレートで約定しやすく、損切り幅も遠くなりがちで、ちょっと怖い感じだった。ただ、その方がショートのチャレンジは成功しやすい。

しかし、昨夜のNY時間以降あたりから現在までは、やたら戻りでの滞空時間が長く、ショートをかけるにはとても安心感がある。

ああ、これはダウントレンドだ。いい戻りが来たね、でショート!

そういうふうに、お手軽にショートをかけられる場合は、得てして、アップトレンドの踊り場で、逆方向に相場が走る場合が多いのだ。

そういうお手軽投資家は、またも欧米衆のカモになりやすい。

まさに往復ビンタというやつだ。

こういうお手軽ポジションが、早くも増加していくとは思わなかった。

私の相場観も変わらずユーロショートではあるが、ユーロポンドが狩られたことといい。ちょっと反発地合いが高まってくるような感じがしてきた。

ダウが上げ渋っても少し押しても、ユーロの押しは弱く、ちょっと反発すれば、それ以上にユーロは伸びる。

なんだか、市場がユーロを上げたくて上げたくて仕方ない感じがしてしまう。

さらに、ある通貨ペアが、お手軽投資家のポートフォリオと逆相関を示しているところが、嫌な感じがする。

現在のお手軽投資家が組んでしまいそうなポジションとは、ずばり!

豪ドルのロング
ユーロのショート

である。

このポートフォリオをあざ笑うかのような、不気味な動きを見せているのは、実は、EUR/AUD。ユーロ・豪ドルのペア。
つまり、現在の相場付きはユーロが買われ、豪ドルが売られているのだ。

EUR/AUDといえば、本来、落ちるしか選択肢のないとも思える、王様と乞食(もちろん王様はAUDの方)、のようなペアであるにもかかわらず、じりじりと上昇をし続けている。

この通貨ペアでテクニカル分析を行うと、さらに200pipsは上げ余地があるような感じもする。なんだかすごい話だ。

EUR/AUDが取引できない会社も多いので、これを分解してみれば、

現在のトレンドフォローの組み合わせは

EUR/USDのロング、AUD/USDのショート

ということになってしまうのである。

日本人のなじみのある円ベースでいえば、

EUR/JPYのロング、AUD/JPYのショート

でも、ほぼ同じようなことだ。

あと1日くらい様子を見て、ユーロがらみのポジションはちょっと整理の方向で考えた方がいいかもしれない。

こちらも戻り売りでポジションがまた膨らみすぎてきた……。

無論、ここからの暴落が始まれば、お手軽トレードが勝利したということとはなるが、そこまでされても下落するほど、ユーロが最悪通貨か、と言われると、ドルよりは遥かにましだ。

とはいえ、ユーロはこのままアップトレンドに回帰するとはそれでも思いがたいところがあるので、

今後の相場観としては、

ダウが再度下落をするという前提の上で、

それでもユーロは下げ渋りしながらも、進んでもじり安、下げ渋りながら、それどおろか、ときには跳ねる、など、読みがたいレンジプレイがしばらく続き、資源通貨は素直に下落する、ということになる。

ユーロが跳ねれば、ポンドも跳ねる。

そろそろポンドは仕込み時かも知れない。

そのためには、まずはEUR/GBPがもう一度下げはじめて、欲しいところだ。

その時間がなさそうならば、EUR/USDに次の一押しがきたときには、いきなり、EUR/USDのロングに切り替えるかも知れない。

もちろん、この場合は、大きなトレンドにはとりあえずは逆らうこととはなるかもしれないが、欧米勢が安易なショート陣を刈り上げる値幅だけでも、結構、上値は追えそうにも思う。

とにもかくにも、もう当面、新規ポジションでユーロドルのショートは追わない。
いまの膨らんだポジションをいかに整理するか、に集中していきたいと思う。