間接的な為替介入

またもはやし立てられるユーロ問題。

結局、いつも最後は沈静化し、ユーロは跳ねる。
そして、また政治的な流れが発生し押される。

ユーロはやばいと皆が騒ぎ立てるが
ソブリンの危機であるというのに、
結局、リーマンショック危機ほどの危機さえ起こらない。

自身の個人的な意見ながら
結局、ユーロ崩壊、ユーロ暴落はフィクションであると
再三述べているが、現在の地合いもその一環であると思っている。

ユーロは結局は上昇するしかないと個人的には思っており
それを回避するために
当局、銀行、マスコミ他が一丸となって
ユーロの危機を煽って、相場を下げようとしているように思う。

そのフィクションに自身もかつてはユーロショートをメインシナリオとして
結局、さんざんにやられてきた。

いまのユーロ安は、ともかく、人為的に行われているように思え
そういう意味では、欧州は間接的に為替介入をしているようなものだと思う。
ともかく、時間稼ぎをしたいのだ。もちろん、今後の上昇の。
日本の介入を批判しながら、
自身はもっと巧妙なことをしているように見えて
さすがは狡猾な欧州、といったイメージである。

いずれにしても、当初の予定通りユーロドルは下げて、
待ち構えた指値も入っているが
株安、米国国債利回り低下などで、
リスク回避の地合いが一見するとまだまだ強い。

ただ、こちらとしては現在はシナリオ通りにことは進んでいる。
シナリオ崩壊のラインはいずれの通貨も割ってはいない。
自身のシナリオはここからの反騰である。

ただ、ユーロはチャートフォームが崩れてしまったため
株その他が戻りをみせても、
しばらくは弱い戻りにならざるをえないだろうと思う。

反転を確信し、提灯の順張りがぞろぞろと集まってくる頃に
相場の加速は進むものだ。

まだまだ株自体も戻りは本格的ではなく
コモディティも下げ、債券は上がる、となってしまっている。
欧州時間よりはましになってはいるが、
すべてのリスク回避状況に皆が過剰に反応し
とにもかくにも、リスク回避がより増長されている。

フランスやギリシャの選挙などいろんな内容を材料視しているようだが、
こんなことははじめからわかっていたことだが
こうした政治的な“ごたごた”を軸と見立て
俗に言う折り込みに入る、という感じか。

いずれにしても、どんな理由であっても
すべて個人的には意味がないと思っている。
そうした“ごたごた”も所詮はマッチポンプであり、
いずれにしても、危機的な状況は結局回避されるだろう。

しかし、欧州はそれによって生じるユーロ高を望んでいないので
また何かの材料をはやし立てて
“間接為替介入”を行い、相場の上昇を食い止めようとする。
それによって、あらゆるドルストレート通貨がドル安に振れがちななかにあって、
ユーロドルだけが巨大なレンジを描いてしまうのだ。

だがその巨大なレンジもやがて破られるだろう。
嘘のない方向に。
それを、私は上だと思っている。

いずれにしても、いつかは、そんな小細工なくして回避しようのない
ごたごた、などというレベルを超えた危機が訪れるとは思っているが
それは、いま語られているあらゆる主要テーマとは全く違った
別のなにか、になると思っている。

それがなにかはいまはわからないが、
その震源地は欧州などでなく、米国であるとも思っている。

ともかく、現在の地合いについては(これまでもそうなのだが)
すべて現在のチャートフォーメーションを
後付けに説明してるだけにしか思っていない。

下手に経済の専門を通ったインテリ気取りの投資家などは
相場の流れをファンダメンタルズ的に
的確っぽく現在の状況を説明するが、
あくまで「っぽ」い、だけである。

ともかく、あらゆるサポートを切り
週初の反発をひっくりかえしたのだから、
いまリスク選好をするということは
教科書的には完全に逆張りとなるので
負けることはないが平凡なレベルの投資家にとって
いまロングするというシナリオは描きようがない。

いまの下落に合わせ、またぞろ銀行、証券、個人含め
各アナライザーがターゲットを示し始めた。

ユーロ円などは、100円にまた到達、とのことである。

ただ、こちらとしては、昨日今日の下落は
繰り返しとなるが予想通りの展開ではある。

ユーロドルの窓は
1.3070レベルあたりで
すっぽりといまだに開いている。

これだけの時間的準備が整ったがゆえに
この窓埋めを終えたときには、
現在のダウントレンドラインを突破する。

つまり反騰のフォーメーションが完成する。

これが、自身のいまのメインシナリオである。

現在、その見立てに倣い、ユーロドルはロングしているが
ユーロドルの下げにつきあわされてはいながら、
目下、個人的には
最も期待のポンドドルもロングしてる。
相対としてドルスイスはショート。

ポンドドルに至っては、もしもダウントレンドラインを破れば
天井知らず(というのも大げさだが…)の上昇期待が持てる状況にある。

さらにはもはや円高のトレンドも危うくなりつつある
クロス円通貨もロングを組んでいる。

いまの見立てではどれだけ株が下がろうとも、
中期的な流れとしては、まだまだ押しとみており
昨日今日、自身で積んだショートはすけべショートだと思っている。
だから、ポジションをスクエアにしても悔いはない。

ともかく、すけべショートは、微益ながらも奏功した。
次なるは本命のユーロドルロングである。

ただ、ショートの決済は、
やはりもう少しそのまま放置がよかったようにも思わなくはない…。
朝方、普段は順張りのオセアニアンが逆張ってきたように思え
イグジットしてしまったが、
まだまだリスク回避でターゲットを狙う
順張リストは欧州に潜んでおり、彼らはあきらめていなかったようで、
もう少し、彼らのグリーディングにつきあってもよかった。
利を伸ばす勇気というのは、やはりなかなかに困難である。

利食いは実損益につながることから、やはり早めの逃げを思ってしまう。
それに比べて損切りは遅れがちとなる。

この心理は人間の自然の感情で
どれだけ経験しても、やはり、抗いがたい。

ドルストレートはどの通貨であってもサポートを抜いたことから
本日は逆張り状態に置かれたポジション保有者は投げ売り
順張リストたちは危機な振りを装って、
損切り破りを最大の目的に
トレンドの増幅を狙いさらに売り(買い)を浴びせていく。

しかし、その速度はいまいち遅い。
やはりドル売りの方向で抗いたい勢力もまた多いのだろう。

私もそのひとりである。

昨日からつながる下げトレンドは、いま重要な局面にあるように思う。

現在の安値圏を本日保ちきれば、

明日以降、すでに保有しているアゲインストの投資家は投げ売り
新規の参加者はそこを狙って順張りをかけてくるだろう。

ただし、現在、ユーロドルのショートなどが典型だが、
強烈なダイバージェンスを発生させている。

本日、アメリカ時間にどれだけの抵抗を見せられるかで
現在の“株安、ドル高フェスティバル”のその後が決まるように思う。