少しついていききれなかったが

昨日のドル安の流れで、両建てのドル売りを入れ
要所要所で利食いを敢行も、

結果としては、下押しすることなく引けた昨日であった。

ドル安の構築とともに両建てとなってしまった
ドルロングのポジション解消を余儀なくされ、

ドルロングのピラミッティングは底辺となるアンカー以外は
ほぼ消滅というポジショニングとなってしまった。

ダウ先物は、長く続いた上昇のチャネルラインを下に割ったが
12700あたりにある、直近の安値をサポートとして切り返し。
もう一度戻りを試している。

およそ13000と12700を挟むレンジを形成しつつあるように思うが、
どちらを次ぎに割るかといえば、12700を割って、
そのまま大きく下落するとみている。

ファンダメンタルズ無視でテクニカル的にのみ見れば

チャネルラインを割ってから下、
ターゲットとなりうる値幅までまだ到達していないこと。
次にそれを狙った場合には
昨年秋口あたりからの、ダブルボトムの底からを起点とする
上昇トレンドラインが割れることとなるからだ。

この見立てが外れるとすれば、
上昇チャネルラインの底をレジスタンスとしながらも
右肩上がりでそのラインにそれに沿いながら上昇を続けるか、
もっと勢いよく上昇チャネルをぶち抜き上昇
いずれにしても、結果として年初来高値を再び抜きに行く
という流れとなり、

ドル売りはヒートアップ、ユーロは買われ
ただし、対円ではドル買いで、
ユーロ円や、ポンド円といったクロス通貨が軒並み上昇、
という好景気そのものの相場となっていくことだろう。

そうなれば世界はハッピーであろうか。
きたるべき、好景気の到来であるのだから!

もしもそれが本当の世界経済の復調を意味するなら
私はドルを売り、ユーロを買い、豪ドルを買い、
円を売って、株を買うだろう。

そして世界の人々は、
リーマンショックギリシャショックも克服し
世界の再生を果たされたと、喜びを分かち合うことだろう。

ただ…それは、すべて幻想であると私は思う。

すべては、各政府当局がじゃぶじゃぶの金融緩和によって作り出した
まやかしの金融相場の上昇としか思えない。

各相場はリスク選好で盛り上がっているが
実体経済はどうか。
コンマいくつのごみのような数字レベルで
事前予想から上がった、下がったとほざいたところで
それは金融業界が喜んだり落胆する材料であるに過ぎない。

世界の大きな枠組みで見たら、なんら変わっているとは思えない。

昨日はギリシャ債務スワップへの参加申込率が高いとか
CACやCDCは一切発動されず、
スワップ問題完全完了という楽観を織り込みながら
相場はヒートアップしているが、
だからといって、
それで世界の問題が改善されるという意味とはまったく異なる。

無茶苦茶なたとえで言えば、
借金まみれのろくでなしが、借金の繰延を果たし
さあ、返済計画が整った、といったところで
ろくでなしはろくでなしである。
彼が突如、大出世したり、大金持ちになったりするわけではない。

世界は、こうしたことを繰り返している。
ドルをばらまき、ユーロをばらまき
それによって金余りとなった金融世界の
一部のおこぼれが実体経済にこぼれ
大企業や一部の勝ち組が業績を改善しているにすぎず、
大部分の人々、ひたむきに生きる人々の世界が
改善されていくようには到底思えない。

欧州、アメリカ、日本、中国、
これら諸国で最も嘘つきで不誠実と思えるのが
これらを統治すべきソブリン、政府筋たちである。

彼らが狙うのは、結局のところ
彼らのクラスが今後も贅沢三昧をできるための
地盤つくりである。

そいう自らの欲のみを源泉とした結果
今日のような、不安定な世界経済が生まれた。
それに反省し世界を変えようとしているのではなく、
そうした過去の放蕩の世界に引き戻そうという動機によって
現在のあらゆる政策がすすめられているのだから、
もはや救いはない。

100年先、世界がいまとは変わった世界になって
それがよい世界とあっていて、
いまとは違った価値観の人たちが、
歴史を振り返りいまの者どもを見たら
なんとも醜く欲にまみれた人間であることだろう、
と、いまの時代の人々を蔑むことだろう。

各当局筋のあまりにもむごたらしい各やりざまに
吐き気を覚え、話がずいぶん脱線してしまった。

あらためて日々の相場に話を戻す、
といいながら、東京トレーダー達への感想で今回は話を締める。

下手くそ東京時間説をまたも繰り返すが、
昨日の押し目買いが奏功したからと言って
東京がプロであるとか、うまいであるとかは全然思わない。

元来、東京はドル売り、いわゆるリスク資産の買い
ロングが大好物である。

それはそもそも、株が通常は買いから入るのが普通であり
株価の上昇がリスク通貨のロングと連動しているところにも
由来していると思う。

東京勢はロングのときはうまくいくときもあるが、
ショートは下手である。

トレーディングの巧拙はショートのうまさによると思う。

ロングがそこそこ、ショートがど下手という東京は、
やはり世界で最も下手くそである。

昨日のヒートアップ相場で順張りがうまくいったからといって、
舞い上がってはならない。

あんな、単純相場、私もロングを入れたし
誰でも利食いできる。

上昇相場はいくらでもリカバーが効くので
それほど難しいことはない。