ドル円売り、ユーロポンド買い

本日は東京時間から仕込むことにした。

 

エントリーはドル円の売りとユーロポンドの買い。

 

その軸はユーロポンドの買いから

ユーロポンドは先週、一時上抜けていた下降チャネルの中に再突入したが、再びそれを上抜けつつある。

 

これは、ポンドの楽観相場による買いの過熱感の収束を示唆しているようにも思い、

つまりはポンド売りである。

 

先週のブレグジッドネタの楽観話が徐々に具体的にわかってくるにつけ、実は思ったほど、ブレグジッド問題は楽観できるものではない、と、市場が判断し始めているように思える。

 

ポンド売りが再開した場合、そのしわ寄せを受けるのがドル円

 

ということで、ユーロポンドの戻りを見込むなら、ドル円の下落も相関すると考え、ドル円は売りとした。

 

ドル円単体で見ても、昨夜、本日と二度にわたって108.40アッパーが拒否されており、上値の重さを感じさせる。

 

現在のドル円の上昇は、ブレグジッド問題と米中貿易問題、双方の楽観がそれを後押ししているが、これら楽観が引き続き続く、とはやはり思い難い。

 

今朝方ふと思ったが、自分も最近はトレンドフォロー的思考ができあがってきてしまい、狂ったレートを狂ったレートと思えなくなってきている。

 

まだ初心者の頃は、高すぎる安すぎると素直に反応してたのに(それによって、トレンド相場で何度も殺されはしたが…)、最近はテクニカル的に見て、どんな高値も高値と見ず、どんな安値も安値と見ない、というような思考が当たり前になってきた。

 

この感覚がすぎると、かつての日本のバブルすら高いと思わず、最近ではビットコインのバブルすら高値と思わないという、非常識な判断が当たり前となってしまう。

 

まあ、そういう思考の多くがトレンドが当たり前に発生する金融相場において奏功しやすいのだけど、そんな感覚は、ともすると、常識的な人としての感覚を失わせてしまうところもある。

 

それを思ったのも、今朝方、とあるアナリストの相場分析動画を見たからで、

 

彼は当たり前のようにドル円の続伸を見立てていた。

 

テクニカル分析的には、ドル円の続伸見立ては正しいとは自分も思う。

 

しかし、そのドル円の戻り見立てをファンダメンタルズ的な理由から語り始めてるのを見て、おや? …と違和感を覚えた。

 

もちろん、ブレグジッド問題や米中貿易問題の楽観が相場を押し上げている、というファンダメンタルズ要因はわからなくはない。

 

しかし、ドル円の最近の上昇はテクニカル的に裏付けられているわけで、ファンダメンタルズ的な内容とはある意味で無関係である。

 

ファンダメンタルズ的な要因から語っていくならば、何年ぶりとの悪化ともなるISM製造業指数や、ドル円の今後の利下げ期待などもあり、絶対的にドルを買う材料も売る材料もない、というのが現実である。

 

 

もちろん、各種ファンダメンタルズ的内容で相場は左右に振られるが、それは過去の結果であり、未来へも継続するシグナルとは限らない。

 

以前、先の未来を想像できず現在の高値を最高値と考える逆張り派の値頃感を批判したが、逆にテクニカル的な見立てから、いつしかそれをもたらしたファンダメンタルズのほうに、いつのまにか主体の視点を変えてしまい、そのことに気づかず、先の未来を現在の延長と考えすぎる順張り派、というのも、時に相場の誤りに最後まで気づかない間抜けなトレーダーとなることもある、という意味で、逆張り派とは違った危険を孕んでいる。

 

値頃感の逆張り素人トレーダーは、感覚トレードがゆえに、そのトレードはギャンブルに等しいが、この手の順張りトレーダーは、下手にその相場感が理論的がゆえに、自分のトレードはギャンブルではない、と思っている節がある。

 

しかし、相場というのは究極、常にギャンブルであり、どちらにいくのかは誰にもわからない。それがわかれば誰もが同じポジションを取ることになり、市場は成立しない。

 

トレードをギャンブルとしないための唯一の方法は資金管理で、精緻なテクニカル分析やファンダメンタルズ分析などではない、と自分は考えている。

 

その意味で、現在のドル円の続伸を見立てることがあたかも当然のような話で、そこにギャンブル性がいっさいないかのような顔をすることは、値頃感の逆張りギャンブルトレーダーとは別の意味でやばい、と感じる。

 

レートは常にいまが適正価格で、高すぎることも安すぎることもない、というのが効率的市場仮説説、的な考え方だが、そういう考え方があるがゆえに、バブルをどこまでも追い、下落をどこまでも追う、というモメンタムトレードが相場の王道として語られやすい。

 

もちろん、それが相場のトレンドに乗る、優位性ある考え方だが、本日は個人的にはふと常識的な感覚を呼び起こしてみたくなった。

 

自分が考える常識的な感覚とは、やはりドル円は高すぎる、ということである。

 

まあ、実際、自分の高すぎる、という感覚は直近の104円代から比べてという意味ではなく、自分が考えるドル円の価値(60円以下くらい)に比べてという意味にはなるがゆえに、そんな価格感覚いまの地合いには無意味に等しいとは置いておいても、108.40アッパーで上値を重くしているという昨日今日の現実を見た上で、さらには、ドル円の最近の続伸をファンダメンタルズ的理由で語るのみならず、それが将来にも敷衍する、のような分析をはじめる人らの声を聞けば聞くほどに、

本日はドル円の売りで試してみたいなった。

 

相場の未来をファンダメンタルズ的な意味から問うというなら、ドル円に上昇するイメージは自分には一切抱けない。

 

明日明後日の近視眼的な見立てでみれば、米中問題の楽観から上昇の未来を見える、ように思えるかもしれないが、ファンダメンタルズ的な視点においては、1時間先の未来すら上昇鉄板とは思えない。

 

数時間先の未来が読めるとすれば、予想外のファンダメンタルズ的材料が発生し、それを織り込み切れていない市場がそれを織り込みに入る初速のみで、この場合のみ、数時間からことによると数日にわたり相場がファンダメンタルズ的な意味で突き進むことに優位性はあるようにも思うが、それもやがて持ち合いになり、相場が織り込みずみとなるまでの話である。

 

相場は常にそのファンダ発生からの初速を取り逃したら、そこから先の楽観も悲観もすべて相場に織り込まれた状況となり、そこから上に行くにも下に行くにも運となる。

 

ここ数日の報道ゲームが絶対的な優位性を持つポンド相場における暴騰も、ブレグジッド問題の楽観報道を織り込みに走ったものであろうとは思うが、すでに現状はその楽観が織り込まれた状況で、ここから先に上に行くか下に行くかは、次の報道ゲームを待つ状況であろうと思う。

 

それに対してドル円はポンドほど単純な報道ゲームだけで動くわけではなく、さらにここのところの米中貿易問題の楽観はすでに相場に織り込まれている状況であるように思う。

 

そういう意味で、ドル円がここから上がろうが下がろうが運のようなところもあるが、テクニカル的に見た時、いまのドル円には上昇よりも下落に優位性があるようにみている。

 

テクニカルでドル円の上昇を見ていたはずが、いつのまにかファンダメンタルズ的要因で語り出す、というのは相場でよくある話で、こういう現象は、時にテクニカルがファンダメンタルズに先んじて動き、ファンダメンタルズは後からテクニカルについてくる、というような語られ方をする。

 

しかし、自分はそんな説はとても同意できない。テクニカルはテクニカルでファンダメンタルズはファンダメンタルズと思っているからだ。

 

相場が一方向に加速するとそれを裏付けるファンダ要因がしばしば語られるが、そんな過熱感やファンダメンタルズ的な鉄板の裏付けがあっても相場はふいに反転することは多い。

 

結局、いかなる激しい動きをしているように見えても長期足に視点を広げれば広げるだけ、その動きはテクニカル的な節目に応じた上げ下げを繰り返しているものである。

 

テクニカル的な視点のみで見れば、相場が大きくシフトするときはそんなテクニカル的な節目を超えたときで、それもまたテクニカル要因として次なる節目を見つけるまで相場が動いていくだけである。

 

それは現在、大きく動いているようなポンドにおいても例外ではなく、

今年散々下落したポンドにおいても、月足で見れば、英国の離脱が決定した国民投票の日あたりの下値には未だ届いておらず、むしろ、テクニカル的な下値でいま反発を見せている。

 

自分はテクニカルの絶対的な信奉者ではないが、ファンダメンタルズ的な意味から未来を予見できるとも思っていない。

 

今年のブレグジッド問題でポンドが下落したのは、テクニカル的に下値余地が存分にあるなかで、ポンド不安が再燃したからであって、もしもテクニカル的な下値余地が限られていたとしたら、今年のポンドの下落はこうも激しくならなかったように思う。

 

もしもいまよりもはるかに絶望的なファンダメンタルズ的内容であったとしてすら、である。

 

そういう意味から、再びドル円を眺めると、米中貿易貿易問題の進展がこれからより楽観的に進んだとしても、テクニカル的にはドル円の上値余地は現状限られている。

 

ドル円は10月11日に9月半ばの直近高値を抜けて一時、108.60アッパーまで伸びたが、これはポンドの暴騰に連れ高になった面が大きく、結局は当日のうちにその高値は拒否され、108.50アンダーのレジスタンスの下に割り込んでいる。

 

ポンド買いの後押しを受けてすら、ここまでの上昇が限界だったドル円は、ドル円独自に見た時に、テクニカル的にはすでに買いのピークはすぎている、と自分は見る。

 

この見立てが外れるとすれば、米中問題のさらなる楽観的な進展、ではなく、ブレグジッド問題におけるさらなる楽観によるポンドのさらなる暴騰、のときではないかと思っている。

 

自分としてはブレグジッド問題にさらなる楽観が起こるとは思えない。

 

ブレグジッド問題がアイルランド首相の発言に端を発する、アイルランド問題の解決期待によって、先週大きく上昇したが、その内容は英首相の今後の具体的な提案次第、というような話となり、ポンドは昨日下落した。

 

今後、ジョンソン首相が期待以上の提案を出したしても、それは先週楽観で先取りした水準にニアイコールというだけで、先週のポンド買いの頂点を超える意味は持たない。

それに対して、その提案が期待外れだった場合、先週の楽観での買い上げのある程度から上は期待しすぎのオーバーシュート領域となり、その領域ぶんだけ下押しする可能性が高まる。

 

その意味で、現状のポンドは上値は先週の高値までがせいぜいで、下値については、その期待外れの度合いに応じて、ほぼ全戻しの幅分だけ下値余地がある。

 

前置きが長くなったが、以上から、ユーロポンドについては、下値余地より上値余地の方があると考え買い。

その相関で見たドル円もまた、上値余地より下値余地の方があると考え、売りとした。

 

本頁はかなり長文となってしまい、いいたいことが散漫になってしまったところがあるが、要するに本日はドル円売り、ユーロポンド買いを軸に相場を組み立てていこうと考えている、ということである。

 

ポジション

USD/JPY  S 108.354  108.337 108.336 108.335

EUR/GBP  L 0.87380 0.87395 0.87411 0.87460 0.87453