え、うそ? と思うだろうな

18時、ユーロ圏の鉱工業指数が発表された。

 

予想は前月比前年前月比とも予想を上振れ。

 

しかし、ユーロドルは上がらない。

 

うそ? と思う者も多いかもしれないが、

これは自分では十分予想がつく話だった。

 

今回のこの経済指標は、発表前にけっこう重要だ、とかなんとかほざくアナライザーがちらほらいた。

 

それがゆえに、予想を上振れていたのだから、買われることはあっても、売られるなんて、と思うものも多いのではなかったか。

 

自分も昔の自分なら、ここでロングするかはともかく、ショートポジションは少なくとも決済していたことだろう。

積極的にリスクを取りにいくなら、もちろん、新規ロングを取りに行っていたと思う。

 

経済指標は結果が大事なのではなく、予想と比べてどう違うかが大事だ、

というのは、トレードの教科書的によく語られる話である。

 

経済指標というのは、事前予想というものがあり、それを相場は織り込んでいるのだから、

 

指標結果が悪いとか良いとかいうのは、実は関係ない…と。

 

Buy the rumor, sell the fact(噂で買って、事実で売れ)

 

というようなもんである。

 

経済指標の結果がいくら良くても

予想より悪ければ相場は下がるし

経済指標の結果がいくら悪くても

予想より良ければ相場は上がる。

 

というのは、相場をある程度かじったものなら、誰だって聞いたことがあるはずの話である。

 

で、今回…

 

前月比、同年前月比ののユーロ圏の鉱工業生産指数は予想より良かった。

あらゆる項目が予想比プラスで、パーフェクトと言っていい、結果である。

それなのにユーロドルは上がらないどころか、なぜ下がるのか。

 

まず、相場の地合いとまったく関係ないが、理由のひとつが、ロンアニどもは基本、東京勢を毎回刈りたくて刈りたくて仕方ないクズであるという点。

 

本日、東京勢はドルを売っていた、結果的にドル売りからユーロは買われる形で、ユーロドルが上がっていた。

 

これが、まずユーロドルが売られている理由の筆頭。

 

ただ、こんな理由ではあまり説得力もないため、以下がもう少しまともな理由。

 

自分はこのロンアニのクズっぷりはいまにはじまったことではないため、それはここで置いておくとして

 

ユーロドルが現在上がれないその最大の理由として考えているのは

再三再四述べているが、いまのユーロはドルの受け皿として動いており、主体的に動く力がない、ということである。

 

もちろん、ユーロ圏の指標が予想比上振れなのだからユーロドル以外のユーロ通貨ペア

ユーロ豪ドルやユーロポンドなどは

そこそこ反発している。

 

ユーロドルでないならば、その他ユーロクロス通貨ペアは買いもありなのかもしれない。

 

しかし、通貨取引量として最大規模を誇るユーロドルだけは話が別である。

 

それだけの取引量を持つ通貨ペアでありながら、この通貨ペアは、あらゆるユーロ通貨ペアのなかで、いまもっとも主体性がないのである。

 

いまのユーロドルは、ドルはもちろんのこと、あらゆる通貨ペアの受け皿としてしか機能していないといっても過言ではない。

 

いまのロンドン市場ではドル買い圧力がある。

 

対ドル以外のユーロ通貨ペアが、たとえばユーロポンドなどが上昇するのに伴って

 

ポンドは対ユーロでは売られることになる。

 

ドル買いの圧力が加わているのだから、ポンドドルはなおのこと下押し圧力を受ける。

 

で、ここからなにが起こるかといえば

ユーロポンドが上がっていても

ポンドドルが下がることで

 

ドルに対しての欧州通貨の連れ安、という形で、ユーロドルは、あらゆるユーロクロスが堅調ななかにあっても、下がってしまうのである。

 

このようにユーロは、ドルのみならず、ポンドの影響も受ける。

 

もっと言えば、豪ドルの影響すら受ける。

 

とにかくいまのユーロは、ユーロそのもので動くことができず

 

ドル、ポンド、豪ドル、円などなど

 

その他あらゆる通貨ペアの投機的な受け皿にしかなれていないのである。

 

その意味では、ユーロドルは、いまの通貨ペアのなかで最も素直な動きを取りにくく、初心者向きではないと思う。

 

いまのユーロドルの動きの原動力を上記のように予想するなら、実はそんな難しい通貨ペアではないとは思うが

 

ユーロ圏の経済指標が予想比上振れても下がる、みたいな、ユーロの事情からユーロドルだけを見て主体的に取引をしてしまうと、真逆の動きをされてしまうのである。

 

自分は今回のユーロ圏の経済指標の結果がどうあれユーロドルは上がらないと思っていたので、経済指標を前にしても関係なくユーロドルのショートを保有し続けていた。

 

指標結果が悪ければどかんと下がるだろうし、良くても上げ幅は限定的である。

 

その意味で、ユーロドルのショートは経済指標を前にしても割のいいギャンブルであると思えた。

 

本当は予想比悪化がよかったのだが、まあ結果が予想比プラスでも下がりはしたので、悪くはない賭けではあった。

 

経済指標発表後、ユーロ圏の指標で結果は予想比プラスなので、もちろんはじめはユーロドルも少しは戻りを試そうとしたが、とにかく上値が重い。

 

これも経済指標発表後になってわかる、ユーロドルが下落する理由になる。

 

市場は、本当にご都合主義で

相場を下げたいときは

それに類する材料なら、どんなささいなことでも過剰に口実にするが

それに反する内容だと、どんな重大なことでも、過小に反応する。

 

今回の経済指標の結果が下振れていたら

ここぞとばかり、ユーロドルは叩き売られていただろう。

 

そこまで露骨な流れがなかっただけ

まだ指標結果の予想比上振れを無視はできなかった、というだろうが

 

前月比、同年前月比は予想を下振れ、前月の結果も上方修正され、それも予想を上振れる、という、すべての数値が予想比プラスであるにもかかわらず、ここまで上値が重いということは、結局、最後は下落圧力に屈することになる。

 

上げるべき時に上がらない、

これもまたユーロドルが下げ足を広げた理由であろうと思う。

 

上がらないから下がる。

なんだか屁理屈のような感じもするが

相場はそういうものである。

 

ロンアニは案の定ドル円を東京勢の戻り売りしたライン108.45あたりを試してきた。

 

ただここで損切りを巻き込めなかったということは、東京勢は、さらに上に損切りを置いているのだろう。

 

おそらく、そのラインは本日高値108.60の上。

 

これをロンアニはこのままアタックしていくかどうか、に注目したい。

 

とりあえず、108.30アンダーでの買いの3分の1ほどを、108.45アンダーで利食いしポジションを軽くした。

 

ユーロドルは、1.1260割れのところで同じく3分の1ほど利食い

 

残りは引き続きホールド。

 

ポジション

USD/JPY L  108.293

EUR/USD  S 1.12649