ブラックスワンが現実を覆い隠している?

いま日本人の9割が、米大統領選挙のヒラリー勝利を予想しているそうである。

これがその通りになるとするならば

世界情勢など、まったく予定調和に進む世界ということではあるが、

そんな無邪気で安易に世界が計れるのだろうか。

などと、ブレイン・トレーニング的な観点から世界を眺めると、
うがった見方もできなくもない。

いまの世界の見立てから、トランプが大統領になる。
もしくは、どちらの選択肢もなく、かたちとして
ヒラリーが大統領にはならない。

というような状況となれば、世界にとっては驚愕(?)の事態となり、
英国のブレグジット問題同様に
ブラックスワンのような状況となり、市場は激しく揺れ動くであろう。

ただ、個人的には、
ポンド相場においては、ここまでの下落はないにせよ
英国が離脱しようがしまいが、ポンドは下落すると思っていた。

現在の米大統領選挙は、
ヒラリー勝利でドル上昇、トランプ勝利でドル下落
のような、二択でものを語られている節があるが、

現実の世界はゲームではない。

どちらにころんでも、一択という事態もありえる。

個人的には、ヒラリーが大統領になろうがなるまいが
ドルは下落すると思っている。

ドル下落、とっいっても時系列や値幅を語らねば
為替相場など、上がったり下がったりの繰り返しで
やがて下がりもするだろうから、
ただ下がる、では相場を語ってないと同じ、という意見もあろう。

よって、ドルは下落、というのは、いつか、となれば

ヒラリーが大統領になったとしても
ドル円は即座に下落する、というふうに思っている。

即座にというのは、即日、もしくはほぼ数日以内に
というようなイメージである。

その下落は、
ドル円で言えば年初来安値を更新する勢いとなるように思っている。

もちろん、瞬間的には上に跳ねるかもしれないが
それが最後の戻りのピークで
あとは、一気に下落、というのが個人的なイメージである。

もしもヒラリーが大統領にならず、
ドルが暴落した場合、

ブラックスワンだなんだと、
あたかも、そうでなければドルが下がらなかった、
といったような風潮になるかもしれないが

その流れは、ブレグジットのときと同じである。

勝手な陰謀説ではないが
ブラックスワンを引き起こすことによって
どちらにせよ起こりえた結論を覆い隠そうとする流れが
そもそも現在の世界にはある、と個人的には思っている。

ドルはどのみち下落するという見立てになったとき、

どのような事態になろうとも、ドル下落の流れが必然であり
それが一部の人間にとって不都合であるならば、

ヒラリーを大統領にせず、ドルを下落させることが最も簡便である。

ドルの下落や、その流れでの株の暴落などが起こった場合、
事態をすべてブラックスワンのせいにできる。

現在の世界は、あらゆる手段を尽くして
起こりうる破滅を先延ばししているだけのように思っている。

破滅、というのは、株価の暴落やドルの下落という意味ではない。
もっとすさまじい経済的な破滅である。

実際、ポンドは暴落したが

これがどの流れでも起こっていたとするならば、
それをブラックスワンのせいにすることで、
その流れにもし必然性があった場合の現実を
ある意味で覆い隠せた。

同様にヒラリーが大統領にならず

株やドルが暴落しても、

ブラックスワンがなければそうでなかった、
ということにできれば
株やドルの暴落の流れが必然であったということを覆い隠すことができる。

いま世界経済に大きな変調が起こり、
後の災いが生じるとして

それを先延ばしにしたり覆い隠すためには

ヒラリーが大統領にならないほうがよい。

それで株価の暴落や世界経済が混乱した方がよい。

ヒラリーが大統領にならず、ブラックスワンによって
ドルや株が大きく暴落するよりも
ヒラリーが大統領になったうえで、
ドルや株が暴落する方が、
その流れは絶望的かつ、破滅的なものに見えてしまうだろう。


その意味で、現状の世界経済の変調を覆い隠すためには
ブラックスワンが起こった方が、時の当局や一部の勢力者にとっては
都合のよい流れであるように思う。

なんだか、どこまでいっても陰謀論みたいな話だが

世界経済が
一部の人間によって人為的に作り出される面があるとするならば

ヒラリーが大統領になる、という既定路線さえ
疑ってかからねばならないかもしれない。