なんだ!? このドル円の下落は…

ドル円は東京高値を抜いた後、
急速に下落している。

もうわけがわからんが、とにかくポジションスクエアでよかった。

ドル円が下落しつつあるいまになっての後出しじゃんけんみたいだが、
ドル円のこのような下落の予兆は感じてはいた。

だから、ポジションを全決済し、スクエアにしたのである。びし!

…というのは冗談で、全決済は、ほぼビビりやめだが、なんの根拠もなく、ただ逃げたわけではなく、かすかな予兆のようなものはあったのは確かである。

それは豪ドルドルの動きである。

この通貨をショートしていたので、よりわかるのだが、豪ドルは0.76以下が堅く、

ドル円が上昇し、ユーロドルが安値を追ってきても、下落が限定的だった。

豪ドルは株価などに反応しやすく、
通貨でありながら、株のような商品のような存在で、
さらには、あらゆる通貨の今後の動きの先行指標にさえなりやすい、カナリア通貨のように個人的には思っているのだが、

欧州まで株価が堅調気味なところで上昇しないという違和感から、
下落待ちかと思われたが、
ドル円が上昇のドル買いによっても、下落が限定的なのが気になった。

株価に反応するといいながらも、
どちらに転んでも反応が薄い豪ドルに
違和感を感じたのである。

うまく説明できないが、
ドル円がこのまま堅調であるとして、

ドル買いで豪ドルドル下落、
とはならず、豪ドルドルも上昇したとすれば、
円売りドル売りに派生するいわゆるリスクオン相場となるが

まずこれが弱い段階で、本日のドル円の上昇に円安の勢い弱い、という感じとなるが、

そうでないならドル円が上昇するなら、リスクオン相場でなくドル高、
となるかと思えば、
それなら豪ドルドルが下落して良いものの、その下落も限定的、
なのが、大いに気にはなった。

とにかく、豪ドルドルからドル円を見たとき、ドル高からも円安からも、本日のドル円の上昇は説明がしにくく、この点からドル円の上昇に限界を感じ始めていたのは事実である。

それなら、いまさら言うのではなく、
あらかじめ述べておけ、と言う話だが、

そもそも豪ドルドルの動きについては、
いまでも上記の文章でうまく説明できているか自信がない。
だから事前にこのうまく説明できない違和感のみを挙げて、ドル円の今夜の下落を予め説明できなかったし、また予見もできなかった。だから、このことははなから説明しようとも思わなかった。

しかし、豪ドルドルからくる感覚的な違和感から、ドル円の続伸に自信がなくなり、その他通貨ペアのドル高方向での保有にも自信が揺らぎ、結果、すべてを閉じる理由になったというのは、事実である。

今回、自分がポジションをスクエアにした最大の根拠は、実は豪ドルドルの値動きにあった、というのは間違いない。

いま下落を進めてる段にあっては、その他予め感じはいたが、ドル円の地合いの強さから、説明すること自体が滑稽に思い触れはしなかったが、そんなドル円続伸! というバイアスがまったくなかったとしたら、
事前に説明できたであろう要因は他にもあるはある。

まず日足のボリンジャーバンドで見たとき、ドル円はすでに+1σを下回っていて、さらに上昇しても、ふたたびここを割れたら非常にまずい形になること。

次に、このあたりの箇所に120日指数移動平均線(SMAではなくEMA)があり、ここのところなんどもこのあたりで上昇が阻まれており、最終的に抜けることが失敗に終われば、これもまずい形になること。

30分足レベルで見たとき、エリオット波動的に見て、すでに第三波は終えているように見え、今夜の上昇が第五波であるように思えていたこと。

さらには、これはちょっと前に書いているが、ヴォルフ波動の下落が見込めるなか、まだ下落ターゲットに到達していないこと(これは事前に説明していたのだが、この見立ては、その後、ドル円がまったく大きく下がりもしないことから、以降、当面は上記のドル円の下落の見立含め、下落方向の説明はすべてする気が失せたのもある)。

ただ、これは、104.63の直近高値を超えたことから、一旦は打ち消されたように見えて、しかし、一気にその見立てレートまで降りてきたことから、今夜の上昇はダマシのヒゲで、まだヴォルフ波動は有効に作用しているとも考えられる。

まあ、下落がはじまれば、かくもいろいろな要因を並べられるわけだが、
突き詰めて言えば、これらはすべて後出しの屁理屈と言えなくもない。

ただ、現在のドル円のテクニカル的な上昇の根拠も、下落の根拠に同様に、種々挙げられる。

上昇の根拠として最大なのは、まずダウ理論的に直近の高安を超えてきていること、今夜はさらに高値を更新した。

なんのかんのいっても、日足レベルでは、まだボリンジャーバンドのセンターより上にあり、そのヘンターラインも上向き方向。

次になぜか多くの人が気にしている、75日線をすでに上抜いたこと。

一目均衡表の雲を抜けたこと。

日足のダブルボトムと見えるチャートパターンのネックライン104円を抜けたこと。

これらのテクニカル的な要因をいろいろ組み合わせると、ドル円の上値のターゲットは105から107円となる。

これら上昇要因はいまだに有効に作用しており、したがって、現状、ドル円が急激にしてに押されているとはいえ、まだまだ押し目買いの意欲は強いとは思われる。

利上げがどうのとか、大統領選挙がどうとか、ファンダメンタルズ的な要因を無視したとして、

以上の上昇、下降、テクニカル要因から今後、どれを優先的にとらえるか、結果、どちらの判断を下すか、というのが個々のトレーダーに問われることとなるだろう。

我が国の個人投資家にとっては、やはり上昇をまだ狙う方が多いように思う。

その最大の根拠は、ダウ理論である。

海外の事情はよくわからないが、日本においてはこのダウ理論を圧倒的な経典のように信奉している人が多い。

ネットにある敏腕トレーダー諸氏の、相場解説や、トレード動画などを見ても、

何かと言えば、ダウ理論ダウ理論である。

100年以上前の理論がいまだに信奉されていることが驚愕だが、
それは現代の相場においても、未だ有効に作用している(ようにみえる?)からであろう。

ただし、チャールズ・ダウが提唱した理論は週足において、なのであるが…。

まあ相場のフラクタル構造とやらで、
ダウ理論を日足、時間足のベースに落とし込めたとすれば、

現在のドル円ダウ理論の根拠からして、まだ強いアップトレンドであるといえる。

ここまできて、個人的な見立てであるが、では今後のドル円は、となると…
率直に言って、まだわからない、というのが現状である。

まずはNYがクローズしないことには、なかなか次の方向を描きにくい。

まだまだ、NYでのグリードクズ同士の争いは、どったんばったん続きそうだし、その結果を見て、
さらに東京のアメリカ様に対しての立ち居振る舞い、あたりでなんとなく見えてきそうで、さらには、それを食らうロンドン、あたりになってきたら、より鮮明になってくるように思う。

現状として、ひとつだけいえることは、104.63の東京高値を抜けた瞬間に、ドル円の上昇トレンド継続が確認されたが、
そこをトップにいま反転下落し、短期的には下落トレンドに入りはしている。

それがいまの上昇トレンドから、完全な下落トレンドに転換するか否か、という状態である、ということである。

なんだか現象説明が得意な、巷のアナライザーのようであるが、正直、自分では現状としてこのあたりまでしか、見えない。

超短期ダウントレンドなため、これが反転し超短期アップトレンドとなれば、現在の地合いにシンクロするため、押し目買いの好機になるかもしれないが、それもなってみないことにはわからない。

超短期アップトレンドに転換するまでに、現在の超短期ダウントレンドが、短期、中期のダウントレンドまで派生してしまえば、その後で超短期アップトレンドが起こっても、今度はそれは逆に戻り売りの好機ともなろう。

とにかく、現状の値動きから見えるのは、
東京高値104.63あたり抜けからのブレイクアウトで買いについていった買い豚たちが未だロングホールド状態であるとすれば、彼らは現時点では根こそぎ含み損である、ということである。

ただ、これを含み損としている者がいるとすれば、それは自業自得である。

このブレイクだけでも、104.88あたりまでと、20pips以上も伸びているわけで、
そこで利食いすれば、ちゃんと利益は確保できている。

ドル円ごときで20pipsも利益を稼ぐのは相当に大変である。

ここをホールド状態にし、結果、マイテンしたとしたら、それは欲豚なだけで、利食いするチャンスはしっかりあったのである。

まあ、ここに不幸な人がいるとすれば、チャートを見ずに、104.65越えあたりに買いの逆指値を置いておいただけの、横着トレーダーであろう。

このあとどのような展開になるかわからないが、このまま下落気味にNYがクローズしたら、そんな自称スイングトレーダーかもしれない横着トレーダーは、翌朝見たら含み損に驚く、という状態である。

ただ、これも自業自得で、逆指値の買いに逆指値の売り損切りを置かない方が悪い。

これはこれで損切りにはかかるかもしれないが、

翌朝見たら、損失限定で損切りされてた、というほうが、含み損を抱えているよりはましであろう。

ただ、損切りを置かない結果戻すこともあり、翌朝みたら、一時こんなに落ちてたのか、しかしいまは105円か、あぶねー、みたいなラッキーモーニングになっているかもしれない。

しかし、それで勝ちグセをつけてしまっても、そんなやり方では、いつかは破滅するだろう。

下落のまま戻らないナイアガラとなることも、まれにあるのである。

その時にはジ・エンドで、そうならないためにも、圧倒的に戻ることが多く、損切りする気が失せる為替相場であっても、めげずに損切りされ続けなければならないのである。

いつもはほとんど戻るが、戻らないときの下落っぷりはハンパないのも為替相場である。

それがいつくるかわからないからこそ、毎度毎度無意味なように思わされながら、常に損切りせねばならないのである。

為替の損切りは、火災保険や自動車保険みたいなものである。

ほとんど、起こらないし、それなのに保険料を払い続けるのに無意味な感じも受けるが、

もし万が一のことが起こった場合、その保険がセーフティーガードになる。

もちろん、一生なにもならないこともある。

自分も生まれてこのかた、火災保険も自動車保険も払っていながら、それが適用されるような事態になったことはない。

しかし、今後も保険料は払い続けるし、為替の万が一は、少なくとも火災保険が適用されるよりは高い確率で起こるように思う。自動車保険は、まあ、各人の運転技術や運などによって、もっと為替のクラッシュより高確率で起こる人がいるかもしれないが…。

いずれにしても、今夜のNYはひさびさに上下に値動きのあるボラタイルな日となった。

こんな日にトレードしないのは、よかったのか悪かったのか。

まあ、自分も臨機応変なトレーディングはまだまだ下手くそななので、またやらなくて正解か…。

休むも相場、ということで、
明日以降の展開に期待したいところである。

明日の個人的な希望、でいえば、
もちろん、ドル円は大暴落である。

ただ、相場はいつも希望通りとならないため、希望の実現、という期待だけはしないようにしておきたい。