最近のドルの異常性。そろそろ化けの皮がはがれつつあるか

最近のドル円は、おかしなことになっている。

株が下落しても上昇したり
金などの商品価格が上昇しても上昇したりする。

これまでは株の下落や商品の上昇で
ドル円が下落していたものが

その相関が最近は崩れている。

その理由は、個人的にはFRBの利上げネタだと思っている。
もちろん、個人的に、といったところで
どこかのアナリストが同様の分析をしているのかもしれないが
こちらは、あまり、そういうアナリストのアナライザーを読まないので…。

FRB金利を上げるだとかいうことで、株価が下がるのだが
金利を上げるだとかいうことでドルが上がる。

それによって株安ドル高、というこれまでにあまりないパターンが生じているように思う。

まあ、そもそも現在までの株高自体
実体経済の力ではなく、金融政策における人為的なバブルだと思っているので
それを引き締めて株が下がる、というのは理解できるが
それによってドルが上がる、というのは、ちと無理があると思う。

確かにドル円などでいえば
利上げによる日米の金利差拡大は、ドル円の上昇要因となるだろうが

そもそもドル円が割高かどうか、という観点が抜けているように思う。

例えば、もともと100円が適正価格のドル円があったとして
米国が利上げするなら100円が101円になってもよいが

もともとドル円の適正価格が90円のドル円
なにかの間違いで100円をつけているとすれば
利上げをしようとも本来は101円になる価値などはないと思う。

もちろん、利上げの瞬間に、間違って(?)はしゃいだ短期投機のグリードどもが
100円を101円に一時的に引き上げたとしても

本来価値が90円だとすれば、利上げによって上昇する価格は91円であり
100円という価格そのものが間違っており
これらグリードは瞬間的に間違いを間違いで重ねただけ、ということになり
結局、ドル円は下を目指すことになる。

以上は、素人が考える適当な暗算であるため

10年国債だとか2年国債だとかの利回りから
小難しい計算をして、ドル円の相関を出したりしているプロの方々からすれば
噴飯物の、くそ分析なのかもしれないが

では、あなた方の分析がどれだけきらびやかな宝石か、という話である。

こちらからしてみれば、プロの方々の分析も
そのへんのくそと大差はないと思っている。

そもそもそうしたプロとやらのアナライズで
あなた方自身は相場で儲けているのか、という話である。

いつもいつも相場で思う、個人的な疑問は

日本に限らず、世界各国のアナリストがいろんな小難しい分析をして
いろいろなレートや見立てをはじき出すのはいいが
それを参考にして相場で勝てるのか、という話である。

もちろん、的確な分析となり相場がその分析通りになることもあるだろうが
そうならないことも多い。

当たることもあればはずれることもある、
そうなれば占いと同じである。

占いと同じであるのに、世のアナリスト達の分析が
客観視されたり科学的だとかみなされる意味が
個人的には意味不明である。

金融工学だとかなんだとかで、
かなり七面倒くさい計算式を駆使しているため
もっともらしく見えたりもするが
的中率が100パーセントでない限り、それは
靴を投げて占う天気予報と同じである。

そもそも世のアナリストの分析の正解率は何パーセントなんだろうか

少なくとも51%以上あるならば、参考にする意味もあるかもしれないが
個人的には50%も当たらない、と思っている、というのは言い過ぎだろうか。

まず個人的に根本的な疑問が

米利上げでドル円が上昇するというならば

なぜ、昨年12月に利上げしたドル円
いま101円あたりにいるのか、ということである。

当時のドル円は120円を超えていた。

日本が緩和策を解除したとは思えず
12月以降、日米の金利差が縮小したとは思えない。

昨年米国が利上げしたのに、今年ドル円が20円ほども下落している
その理由を的確に説明してくれている論評はまだ個人的にみたことがない。

1月に日銀がマイナス金利を導入したから?

いや、その前からドル円は下落していた。
むしろ、日銀の前後にはドル円は上昇していたほどである。

日銀の日、ドル円は117円ミドルアッパーから121円69あたりまで
実に3円以上も上昇している。

みな日銀のマイナス金利円高、とかほざいているが

日銀のマイナス金利発表時当日や翌週頭くらいまではドル円は大きく跳ね上がり、

ドル円ショートにしていたこちらは、その当時、こちらは大きくやられ、
こちらは今年もまた円安相場が続いてしまうのか…
と絶望(?)を覚えていたほどである。

その後、ドル円は大きく下落はしたが
マイナス金利導入直後の跳ね上がりを、皆忘れたかのように
日銀のマイナス金利円高、とかなんとか、いましたり顔で分析しているのが
世のアナライザーどもである。

日銀の日、多くのアナリストどもは押し目買いを推奨し
ドル円が上昇し続ける意図を、さまざまな屁理屈(?)を駆使して分析してみせた。

翌週以降、ドル円が下落を強めるに従い、
その分析を突然まったくひっくり返し、
銀行の収益圧迫がどうとかなんとか、突然、円高方向の必然性を語り出したのも
また彼らである。

1月のあの日銀の日に騙され(?)
いまでもドル円120円アッパーあたりのロングで塩漬けを余儀なくされている
個人投資家もいまだけっこう存在しているように思う。

いやいや原油価格が暴落したから?

原油は別に去年から下落している。

いやいや、ブレグジット(英国離脱)のブラックスワンが…

もういいよ…という感じである。

ご託がずいぶん長くなってはしまったが、
どちらにしても、いま個人的にはドル円はまだまだ高すぎると思っているので、

米国が利上げしようがしまいが、ドル円は結局下だと思っている。

利上げをして、株価が下落したとしたら
結局は株価の下落に押されドル円は下がるだろうし

利上げを先送りし続けたとしても、いずれはこの金融政策緩和場バブルによって
肥大化した株価は、どこかで崩壊するであろうから
それでもドル円は下がる。

基本的に、個人的には現在の米国を筆頭とした株高は
いずれ崩壊すると思っており
FRBもその避けられぬ破滅を確信していて
だからこそ利上げを急いでいるのではないか、とすら思っている。

利上げを先延ばししたまま株価が崩壊すれば
これまでの株高が金融バブルの結果だとばれて(?)しまい
もはや利上げもクソもいってられなくなる。

しかし利上げによって株価が崩壊すれば
利上げのせいだということにできる。

どのみち株価が暴落するのだから
利上げによって暴落した方が、そこにまた利下げという金利操作の余地がでる。

いずれにしても、すべての根源はまやかしである。

現在の株高の虚飾をごまかすため、利上げだなんだといって
破滅を先延ばししているようにしか思えない。

株価のクラッシュが先か、利上げが先か。

どちらにしても株価はクラッシュするとしか個人的には思っていないが、

利上げという茶番での株価の暴落をFRBが演出する前に
株価が大暴落してもらったほうが、よほどすっきりする。
どのみち、結論は同じであろうから。

FRBの直近の利上げは12月であると予想されている。

そのまえに大統領選挙もあり
なかなか、株価暴落というトリガーが起こりがたいアナロジーもあるが

12月のタイムリミット(?)までに、株価が暴落してもらえないか、と思っている。

こんな見立てをたてると、現在、株を保有している投資家達にとっては
ふざけんな、という話とはなろうが、

株など興味はない、もしくは投資をする余裕自体がそもそもない
実体経済のなかでひたむきに生きる人々にとっては、株価暴落の方が
彼らの幸福のための道が開けていくように思う。

それがひとときの不幸を生み出したり
また、その幸せが実感できないささやかな幸福であったとしても
投資の世界に救うグリードども(機関投資家を含む、あらゆる投資家・投機家)を
今後も肥え太らせ、実体経済を歪め格差を助長する社会であることに比べて
はるかに大きな幸福にむけての大きな一歩になっているように思う。