どちらに転んでもポンドは下落する

明日は、いよいよ英国の国民投票の日であるが

英国がEUを離脱すればポンドは下落、離脱しなければ上昇

のような二択で市場はいま盛り上がっている。

いまは残留優勢である、とかなんとか。

そんなものはどうでもよい。

そんなことよりも、
これまで世界で様々に予想されてきたリスクは、
これまでほとんどの場合、そのリスクなど実現などしていない、
という事実を考えてみたい。

スコットランドが独立するだなんだも
ギリシャがデフォルトするだなんだも、
中国株が暴落するだなんだも
ドイツの銀行が破綻するだなんだも

あらかじめリスクとして予見され
そして市場はそわそわしていた。

結果どうか。

どれもこれもが実現には至ってはいない。

リーマンショック、中国株の暴落の初動
スイスフランの介入放棄などなど

これまでの暴落は、ほとんどすべてが
これまでほとんどが市場に語られることもなく
突如、サプライズで起こったものばかりである。

市場が予想することのほとんどは、狼少年同様の
ありもしないフィクションばかりである。

そこから今回の英国の問題は考えてみると、自ずと答えはみえる。

英国は離脱しない。

これだけである。

ブックメーカの予想がどうとか世論調査がどうとか、
そんなものは相場のにぎやかしである。

離脱しないものはしない。
それだけである。

もはや誰もが準備万端、といえるまでに
英国のEU離脱のリスクを
ハルマゲドン(笑)ばりに恐れ
皆が固唾をのんで見守っている状況である。

英国のEU離脱、そこでポンドの大幅な下落
スイスショックの匹敵するポンドの下落。

ポンドがEUを離脱すれば、そんな危機がおこりますよ!

とかなんとか。

こんなふざけた市場への煽動があればあるほど

英国はEUからは離脱しない、と確信できるほどである。

こうした内容が、市場で予測され
市場の危機として流布されている段階で
もはやその実現は極限まで低くなっていると思う。

世界がバカみたいに騒げば騒ぐほど

恐れられたリスクは到来することはない、というのが世の常である。

その意味で、英国の国民投票は、残留というオチであっさり終わると予測する。

ではそのときにポンドは大きく上昇するのか、と言われると

個人的な予測では、ポンドは下落するとみている。

まずEU離脱は、現時点ではサプライズのため当然、下落の可能性は高い。

では、離脱しなければ上昇、かといえば、現時点で

ポンドは148円あたりをボトムにもはや5円あまりも上昇している。

株価も織り込みからかわけのわからない上昇を続いけている。

すべて本来のトレンドから逆行する動きである。

これは完全にポンドがEUを離脱するわけがない
ということに対する織り込みの買いである。

ポンド離脱せず、を期待してのロングは
もはやぱんぱんなまでにふくれあがっている。

いまポンド離脱にベットしてポンドのショートが積まれ
頭が押さえられてのポンドのレートか、というと
そんな感じはいっさい感じられない。

それであってもポンドが頭打ちである理由は
これがポンドの本来の実力であるに過ぎない。

いや、織り込みからの上昇から、その評価は
過大評価生での状況である。

噂で買って事実で売る、というのにはあまりあるほどに
織り込みの買いが歪なまでに進んでいるのがいまであると見ている。

そもそも、なんだか現在のポンドの下落は、
あたかもポンドの離脱の有無が原因のように現在語られているが

もともとポンドの下落は、原油安など
現在の離脱ネタ以前から下落を進めていた。

そもそもポンドは下落トレンドの最中にあり

こんな材料を参考にするまでもなく下落方向なのである。

それを上昇方向にねじ曲げているのが、現在の英国離脱問題である。

ポンドがEUを離脱しなければポンドは大幅に上昇する、
というのは、完全なまやかしであり錯覚であると思っている。

今のポンドは本来的に下落する力しかない。

とはいえ、ポンドが離脱せず、ということになれば、当然のように
瞬間上に跳ねるかもしれないが

それはいまのポンド問題に囃し立てられて
ばかげたロンググリード連中が、
熱病のように(半ば確信犯で)ポンドを瞬間的に買っている、
というだけである。

その後の動きを考えるといくらか戻したところで
そこを絶好の戻りとして叩かれ、
あとは下落するだけ、
結果としてポンドは少なくとも年初来の安値を更新する下落はみせると思う。

離脱すれば、大きく下落、
離脱しなくとも、結局は下落。

その意味でポンドは下落の一択である。

いまどんな理由でもとにかくポンドを買っている連中は
事実が判明した後、ぶん投げる気まんまんであろうと思う。

そもそもポンドがEUを離脱せねば、株価は大幅上昇か
そんなストーリー自体が無茶苦茶である。

本来ポンドは株安方向のまずさから離脱を国民に問うているにすぎない。

離脱するかいなか、という選択そのものが
ポンド安の方向から見いだされたわけで

本来、ポンドはどうあがいても下落の道である。

それが、離脱云々が急に湧いたとたん
離脱せねば株高ポンド高、というのは、もはや本筋からずれている。

現在ポンドを買っているクソども
彼らとてバカではない。ポンドの本来的な価値はわかっているはずである。

そんな彼らが残留、はいポンド上昇、といったような
短絡的な発想をするわけがない。

ポンドが離脱しないと判明した瞬間
さんざん市場で煽ってきたことからの結果の上昇に対して、
利食いをかけるだけである。

ただ、そんなクソな企みは、昨日のポンドの下落から狙いずらくもなってきた。

本来なら、1.47、1.48と、バカみたいに際際まで上をキープし
これが100なり200なりpipsが跳ねた瞬間、利食いをするつもりが

1.47を割り込んでしまい、明後日の投票を迎えるに至った。

昨日の段階で、1.47アッパーで叩いてショートした連中はお見事である。

彼らこそ、ありうべき本来的な価値をわかっている連中である。

こちらはショートを取れなかったが、
1.47アッパーでは是非ショートを取りたかったほどである。

バカみたいに買い上げて、カモ連中も買いに煽り
ロングでぱんぱんにした後、どちらに転んでも暴落させる。

一部のグリードがそんなシナリオを立てたところで
相場はそれほどあまくはない。

際際の高値から跳ねての利食い、のような
おいしいトレーディングなど許しはしない勢力がいたのである。

これで高値はほぼ見えたも同然である。

本日ポンドがどれだけ下落しようとも

投票結果で残留が決まれば、
とりあえずは1.47アッパーまでは上昇するだろうが
1.48を超えることはないであろうと予測する。
超えたとすれば、それはもはや行き過ぎで、英国が残留しようが、すさまじい過大評価、オーバーシュートである。

どのみち、その後はナイアガラである。

どちらに転ぼうとも、ポンドは売りの一択である。

もちろん、現在の市場は英国の離脱はまずない! と考えているため、万が一、離脱となれば、当然サプライズで大きく下落するだろうが、それは下落幅の大きさの違いに過ぎず、どのみちポンドは下落する。

ただし、残留の場合は瞬間跳ねるので、その戻りを待ってからショートせねばならないが、


いずれにしても、ポンドの鉄板の下落にあわせ、こちらは全力でショートをするつもりである。