何度も発火点になるものか…

以前、欧州勢がドル円の年初来安値を割ってみせたときは

単なる仕掛けの一時的な下げと思い
そこに追随するにわかショート連中を馬鹿にしていたが

結果、米国時間でも新安値を作り
欧州の押し下げは華麗な発火点となった。

そして今回、欧州勢は同様の仕掛けを図ろうとしている。

ユーロドルである。

ドル円の反発にあわせ、欧州序盤まで下落を進めてきていたユーロドルが
欧州時間から反転をはじめ、1.14を再び狙うような上昇をはじめた。

特に強烈だったのが、1.17からの押し上げで
ここから一気に1.14近くまで再び上昇してきた。

ドル円に至っては109円を超えて109円手前まで伸びた。

これはドル円の下落トレンドが反転したのか、

はたまた現在のユーロドルの調整下落をひっくり返し、
欧州がその発火点となり、
ユーロドルは押し目となって、上昇を続けていくか。

いずれもないと、私は見る。

ドル円の調整としての上昇はともかく(それもかなり危ない逆張りだが)
ユーロドルの.1370からの跳ねで買いについていったにわかロングたちは
今回こそは、バカだと思う。

もちろん、個人的にはユーロドルの上昇は自身も思ってはいるが
いまはまだ早いような気がする。

というか、欲の皮の突っ張ったグリードどもである。

ユーロドルは、やがて1.14はおろか、1.2さえも超えていくと私は思うが
いま買いを入れるのは、本当に無意味である。

まあ、好きにやっているのだから、もう一段押されて
大きく損失を膨らませていけばよい、愚か者ども、とは
言っておきたい。

ユーロドルはもう一段位は下落しうる。
これはドル買いが起こる、という意味ではなく

狙いがドル円からクロス円全般に移ってきたと私は判断している。

ドル円は、いま若干戻し気味でレンジ的な動きとなる可能性が高い。

ここで日本にさらなる打撃を与えるならば
円買いを仕掛けることである。

ドル円がレンジで、円買いを仕掛けトレンド走らせる効果的な手は
クロス円を下げることである。

そうなれば、ドル円がレンジであろうとも、大きく円高に走らせることは可能だ。

いま日本当局は円安には持って行かない、と暗に主張している。

首相自らがそう宣言しているのだから
今後、意図的な亡国(と思っている)日銀の金融政策や
為替介入といった、
相場の本来の流れとは異なる外部要因の心配は薄くなっている。

これは、ドル円のみならず、あらゆる対円通貨に対策を取らない
という意味でも動議である。

ドル円は118円割れまで急ピッチで売りが進み
いま売りを重ねることにはやや息切れ感がある。

しばらくの間、ドル円を放置する代わりに

今回の欧州勢のグリードなトレードは、それがドルロング方向であるならばなおさら
現在のトレンドを反転させる発火点にもなり得ないと予測する。

ただ、本日のドル円は108円割れなどさらなる安値を追うことはないと予測する。

ただ、これはドル円の下落トレンドが終焉したことを意味しない。

ドル円のさらなる下落は来週以降でもなんら問題はない。

ということで、目下、注目しているのは
ユーロドル、ユーロ円の下落方向である。

本日のドル円はおろか、ユーロドルなどのドルストレート通貨さえ
クロス円を下げるための燃料としかならない、と考えている。

いま徹底的に狙われているのは、円である。
それはすなわち、ドル円だかユーロ円だか、豪ドル円だか
とにかく円を売るのが大好きな、我が国一般的な日本人投資家たちである。