完全無欠の敗北

ドル円の売り、しかも、115円を大幅に下回る、という予測は、
ここ1か月弱の相場で完膚なきまでに粉砕された。

117円を伺おうとしていた相場は、118円を割り込まずに上昇に上昇を重ね

築けば、122−123円のゾーンで、じり高に推移している。

118円、119円はおろか、120円ですらも割り込みようがないというところまで上昇したドル円

118円から123円であるので、5円あまりもの上昇である。

こちとら、ドル円はショートのイメージでいたので
完全に敗北である。

救いは、見立てのみでポジションをほとんど取っていなかった、というところだけか。

1.15に届くことなく、ECBのノボトニー氏による「口先介入」に等しい、
ユーロドルの下落も、ドル買いには大きく貢献をしている。

その後のドラギ総裁の発言、イエレン議長の発言

すべてが、ドル買い(ユール売り)を大幅にワークさせるための援護射撃となった。

いま地合いはドル買いユーロ売りが鉄板トレードのようになっている。

すべては、要人発言の誘導によってもたらされたものである。

無論、雇用統計は強かった。米国の各指標は強い、などなどある。

しかしながら、本来のドル相場からすればこれらは端役にすぎない。

要は、どのような意味であれ、ドル買いユーロ売り、だけなのである。

これを粉砕するための唯一の道は、もはや株価もしくは債券の動向である。

どのような口先介入が繰り出されようとも、どのような指標結果となろうとも

株価や債券価格の動向は市場の声である。

いま株は買われがちで債券は売られがちである。

この方向が転換しない限り、あらゆる意味合いも意味をなさない。

で、自身の見立てとなるが

どれだけ世間がドル買いユーロ売りという相場観を示そうとも

ドル売りユーロ買いの相場観に変わりはない。

ドルが死なず、ユーロが浮かばれない意味は

個人的にはどのような意味であろうとも、株価や債券価格、ドルインデックスの動き次第である
と思っている。

もちろん、ドルの利上げ、ユーロの追加緩和という思惑によって

ドルの上昇圧力、ユーロの下落圧力はファンダメンタルズから強烈な要因となる。

しかしながら、根本的な為替相場の意味を考えてみたい。

為替相場において、相場は完全なるゼロサムゲームである。

誰も彼もがドル買い、ユーロ売りという相場観を抱くならば

だれが相対でドル買いの買いを売りで受け、ユーロ売りの買いを受けるのか。

たしかに、118円からのドル円上昇相場はお見事であった。

こちとらドル円のショートはすべて損切りスクエアとされた。

しかし、私の相場はあくまでも変わらない。

ドル円は不当に高すぎると思うし、ユーロドルは不当に安すぎると思う。

ドル円は本来的にはどれだけ甘く見ても110円より下の水準であると思うし
ユーロドルは同様に1.2よりも上の水準であると思っている。

ドル円を、
119円で、120円で売ること、121円で売ること、122円で売ること
これは一時的な踏み上げをくらいかもしれない。

ユーロドルを
1.1で買うこと、1,08で買うこと、1.07で買うことは
これは一時的な下押しを食らうかもしれない。

しかし、ドル円が110円より下が適切であるなら
いくら119円からのショート1を24円、125円と4円、5円踏みあげられようとも
110円を割り込むとするならば
119円からでショートしたとしても、結果は9円のバジェットである。

ユーロドルが1.07からロングし、1.06、1.04まで100〜300pips下押されようと
1.2を超えるとするばらば
1300pipsのバジェットである。

いまの相場は本当に狂っている、と思っている。

まやかしの米国の景気回復というフィクションに踊らされ
株価はあり得ないほどの高値を叩き
ドル円は本来あり得べき価格から10円以上も上にいる。

この狂った相場付きは、やはり12月の諸々の結末が出ない限り反転はしないかもしれない。

そうであれば、私はあやまったドルの買い、ユーロの売りを
ただただ傍観しておく。

決してドル買いやユーロ売りのポジションは持たない。
持ちたくないのである。

118円、1.14からこっち、ドル円相場もユーロドル相場も完全敗北を喫した
ここ1か月であったが
それでも私はドル買いやユーロ売りなどという行動は
絶対に行わない。

ドル円125円、ユーロドル1.04、好きに進むと良い。
こちらはそんな茶番について行く気は毛頭ない。

ドル円は必ずや110円を割れ、ユーロドルは1.2を超える。
これが私が変わらず抱いている相場観である。

その正しさが証明されることを信じている。