すべてが突破されてしまった

相場を見ると、あらゆるレンジがついに破られてしまった。

ドルスイスは0.9114のサポートを割り、ドル安地合いの継続。
ダウ先物は2011年5月の高値を12869抜き去り
完全なる戻りのアップトレンドのフォーメーションを完成させてしまった。

アジア、欧米で下がりつつ、安値は割らず
アメリカがそれを買い上げるという、何日も何日もの同じ繰り返しで
右肩上がりのレンジを繰り返しながら
チャンルラインを鋭角に極めながら登りつづける

ダウが次に目指すは、13155、これさえも破れば
次に目指すは、史上最高値への道である。

もはやテクニカル的にダウの株高を否定できる要素はない…。

ダウで言えば、長期線からすれば、現時点では
いくらアップトレンドを割り込もううとも、
10300あたりの節目の割り込むまで
アップトレンドの消滅を完全に説明できない状況まできてしまった。

そのレートに到達するまでは、どこまで下落しようとも
すべてが押し目となる。

短期的なアップトレンドを破り、ドル高を追うとしても
それがいつ押し目となって、めくりあげられるかわからない。

ショートについては、
まさに短期トレーデングのみが許されるヘビーな地合いが完成した。
いつ巻き上げられるかわからず、とてもホールドなどできない。

ドル買いで挑み続けたが、またも完全敗北である。

いまダウ株を空売でショートしたとしても、
今のレートから2000ドル以上下落しないかぎり逆張りとなるのである。

恐るべきはダウ先物、強欲の本家アメリカに関しては、
トップを切って、そこまで相場をひっくり返してしまったのだ。

日本株、欧州株、中国株、すべてが堅調ながら
そこまで明確な反転はまだない。

現在のダウ株のみの節目超え、
個人的には異常きわまる状況としか思えないが、
現在のレートがそうであるのだから、そこから見立てるしかない。

次なるレジスタンスは、もはや強さは弱いが、13139。
これも裏を返せば、ここまで明確なレジスタンスがない、ということである。

今後の可能性としては、2つ考えられる。

1つめは
ダウ株が力強さが本当で、
それであれば、世界の株式もそれについていき
やがて、世界が全面株高となる。

2つめは
ダウ株のみが壮大なバブルを演じていて、
世界の株式はそこまでついていかない。
結果、ダウ株は暴落する。

ダウ株、世界の株、どちらかが本当でどちらかが嘘である。
今後は、どちらがどちらに接近するかである。

私の見立ては、ダウが嘘つきであり、それゆえ
かわらずその2の方だが、
現在のチャートフォーメーションからは、
それがいつ弾けるのかはもう見えない。

分析を行いたいと思っても、バブルが弾けたと完全に説明できるのが
いまのレートからかなり下となってしまっている。

あらゆる材料で下落しようとも、そこを割らない限り
すべては織り込まれた材料とみなされ、
バブル破裂の発火点としては証明されない。

いまより2000ドル以上下、10300あたりの節目を割った瞬間に、
その天井から下落までに生じている材料が、バブル崩壊の材料だったと、
はじめて証明できるのだ。

材料などすべてそんなものであり、要は後づけである。

分析したとしたら他のアナライザー同様、
こういう無責任なものしか出せないが説明はできない。

無論、個人的な予測はバブル崩壊で、
現在のダウ史上最高値さえ越えなければ、
ダブルトップの天井としての効力は留保されるだろう。

ただし、その場合のネックラインは6000ドルあたりという
いまのレートからは半分以下の世界である。

その可能性もじゅうぶんあると考えてはいるが
いまそれを主張するのは、ちょっと強引すぎる。

しかし、その値段が示現した時には、
株式の時価総額の膨大な数が失われ
世界の多くの富が消滅しまっていることだろう。

現在は、直近の大きな壁だった、
12869を売り買いが交錯している。

もはやこのレートにはチャートとしての意味は失われたゆえ
今後、チャート的にこの節目は意味はなくなったが、

ここはさすがに強く意識されているようだ。

株は総量が決まっている。
買い手がいても、売り手がいなければ成立しない。

ここをターゲットとしていたグリードは多いだろうから
利食いがまずは多く出るだろう。

ここで売りに出された株を
ここからを買いシグナルと見做しさらに上がると思うグリードが
買っていく。

またはそこに、ここを壮大なダマシと見做し、
この到達点から空売りを仕掛ける
果敢か蛮勇かはいまは不明の
強気の逆張リスト、コントラリアンもいるだろう。

ただし、この連中は短い時間でカバーしていくので
またも節目で買いが膨らむ。

そういう意味で、セオリーからすればアップトレンド中は
買いの方まさっていく。

現在のレートは
下値で買っていて利食いするもの
その売りを買うもの、空売りするものとで、
このラインに意味を見出す者たちが三つ巴となりながら、、
最初のイグジットしたものが去ったのちは、
このまま値固めを行い、さらなる買いでの上昇を狙う勢力と
ここで逆張り空売りを行う勢力との両者のバトルとなっているように思う。

相場の世界としてはエキサイティングな戦い、
一般人や世界から見れば、醜く汚らわしい欲の奪い合いである。

株の話が長くなったが、為替で言えば、
どれだけユーロがどうだろうが
豪ドルがどうだろうがともかく、これだけの株高を演じれば
ドル安相場は回避できない。

アップトレンドであるとしみじみ思えるのが、
この1か月以上の間は、
どんな押しが来ようと、どんなレートでロングしようと
最後はフェイバートなってきた。

ドル高を信じているため、早期に利食いを敢行しつづけたが、
ホールドしていれば、スワップちゃりんと大きな利益となっていただろう。

ドル高の相場観ゆえ、もっぱらドルロングはホールドだったが、
これらは、最後には高値更新でつねに粉砕される、という繰り返しだった。

今後、結果的に空売りが勝利し、株安が発生しても
どこかで必ず止められる。そういう相場つきとなってしまった。

まだまだ腰を据えてドルショートなどとても行うつもりはないので、
今後は要所要所でポジショニングしても
腰の引けた、トレーディングとならざるをえない。