2月雇用統計を終えて

なんだかんだと、
連日のように、自らでユーロ高、ユーロ安と変転を主張しながら、
結局のところはユーロ高、裏返せばドル安で一月が終わり、
雇用統計の突入となった。

雇用統計は荒れているようで、
実は直近のトレンドを加速させるだけ、とも思っているので
瞬間的には、まずドル安が加速するだろうとは思っていたが、
その後が鍵となる。
昨日の場合はそのままドル安が超加速すれば、トレンド継続だし
そこからドル高に移行すれば、トレンドの転換、と見てもよいと個人的には思っている。

結果として、まずは当然のドル安が走った後、
ドル高(資源通貨除く)に転換した。

その後は終わらぬ株高により、後半ドル安方向でじりじり戻されたが
結論としては、ドル高(繰り返すが、資源通貨を除く)、そのような動きであった。

先月のドル安は、実は先月雇用統計時に予想していて、
そのときの予想が当たっていながら、下手にドル買いポジションを続けたが失敗だった。
http://d.hatena.ne.jp/lj1027/20120109/1326101368

先月はユーロショートがめためたにやられたが、先月ブログで自身は以下のように書いている。

ーーーーー
しかも今回は大チャンスのような気がする!
それは雇用統計がよかったにもかかわらず
トレンドの走りに乗りすぎて、ドル買いが突っ走りすぎてしまったから。

本来はドル売りになっていいような指標結果にもかかわらず
ドル買いが突っ走りまくった。
これが、本当はドルショートなはずが
かなり間違ってオーバーシュートとなったオチであるならば、

相場は間違わない

とかいう(私はこの意見は基本嘲笑です)市場原理主義者の真理どころか、

相場が大間違いした

ということとなり、

ドルショートを仕込む千載一遇のチャンス!となる。
ーーーーー

自身でこう書きながら、ドルショートを仕込まなかったのが悔やまれる。

むしろドルロングを追い続け、結果、自身が思い描いた悪いトラップにはまる結果となった。

以下に書いている。

ーーーーー
いずれ下がるにしても、実はもう下がらないにしても、
今の地合いでの、特にユーロ売り♪は危険だと思う。

今後、ばきばきに戻っていくとするならば、
それはスイングをかけながら、ということとなるので、
戻り売りどうぞ♪的な、誘惑的なチャート形状を示し続けるように思う。

それが本当に戻り売りならば、ショート筋の勝利だが
最大にまで戻っていけば、EUR/USDは本年、2011年の年初来高値を抜くのはもちろん、
史上最高値さえも狙うようなトレンドが走っていくことすらありうる。ーーーーー

最後の文、
「2011年の年初来高値を抜くのはもちろん、
史上最高値さえも狙うようなトレンドが走っていく」
未だ達成されておらず、その方向感はまだ損なわれていないが、
しかし、現在の相場付きから、2月以降の短期中期的には、
この見立ては一端は取り下げたいと思う。

ということで、1月ドル売りしていた者達は、いまは一旦利食いしたほうがよい。
どこで売っていても、1月にドルショートをしていたとすれば
いずれも勝っていることだろう。

で、昨日の雇用統計に話を戻す。

昨日は、予想を上ぶれで、今度はドル安!となりながら、
結果ドル買いという、どっちつかずの流れながら、
勢いはドル高となり、しかし株高が止まらないことで
ドル高の流れをキープするのにも無理が生じ、
結果的にじりじりとドル安への戻りにむけて相場が動かされ、1日を終えた。

ドル安の加速を一気にドル高に反転させながら
結果がよいのだから、株高です、となり
それならばドル売り、リスク選考するしかなかろう……という流れとなった1日である。

ではその後どうなるかであるが、結論から言えば

これはとくにユーロドル、ポンドドルなど、欧州通貨などに言えることだが、
これら通貨は、再び、ドル買いに反転していくように思う。
ドル安はまたも終わる、ということである。

先月も今月もそうだが、雇用統計がよい、ということでリスク先行で走るはずが
いまの地合はなぜか、雇用統計よい→アメリカよい→ドル買い
という流れで脊髄反射する。

ただし、
先月はそのドル買いの流れ、翌週から健全に(?)ドル売りへと反転させることとなった。

では今月もそうなのか。
雇用統計はまたもよい。ISMも予想を上ぶれ。
アメリカの景気先高感満載。ではでは、株も続伸でリスク通貨が伸びまくり、となるか。

ならないと思う。

雇用統計が発表された瞬間、
1月のトレンドに合わせるようにチャート的にはドル安方向に加速している。
おかげで豪ドルやその他リスク通貨などは、年初来高値を抜くほど走った。
ユーロドルも走った。
しかし、ユーロドルは1.32で頭をがっちり押さえられ、その後のドル高の地合に押された。
その後、じりじりまたユーロ買いで反転を試みながら、大きく戻せず終了。

いきなり週初めの話となるが、
かなりの株高につき、日経平均も最初は買いで反応するだろう。
買いで反応というよりは、グローベックスの日経平均が上がってしまっているので
そこに合わせて、初値は100円高とかそんな感じではじまるのは当然だろう。

その流れで、若干(!)の円売りはもちろん起きるだろう。
クロス通貨がまず上げて、ドル円も上がる。

しかし、それは金曜の余波による残りカスのような上げと見ている。
金曜の米株の上げに敬意を表した円安である。

しかし、それも長くは続かないと見ている。

日経平均も午前中こそ金曜の余韻で伸びても徐々に頭打ちになると見ている。

それは、その裏で動くグローベックスのダウが月曜日に続伸するか怪しいからだ。
下手をすると垂れ始めているかも知れない。

金曜終値から下げるからといって、
日経平均も下げるほど馬鹿ではなかろう(実は馬鹿ではないのだが)。
グローベックスでダウが東京時間に下げ始めたところで、
金曜は150ドルあまりも木曜日比で高いので
垂れてきても150ドル分は上げ幅がある状況だからである。

日経平均がいきなり月曜下げるとすれば、
東京時間内に150ドルもグローベックスのダウが下がるということしかありえず、
それは土日になにかが起きない限り、ほぼありえないので、

結果的に月曜のグローベックス・ダウが垂れ始めていても、
日経平均はマイナスとはならず、
小幅高かやや高、下落の余波を感じはじめたところで
やや安、という具合で日経平均の現物株はクローズするだろう。
つまり、大幅安で終わることはほぼない、と考える。

だから、東京勢も当初はクロス円、ドルストレート買いで反応するだろう。
そうでないと東京らしくない、
金曜のダウが下がっていることか、もう先読みして円買い、ドル売り
などに先回れるような読みも勇気もないはずだ。

万が一、東京時間に円高、ドル高などという勇気を発揮した場合、
ドル安がもう一段続く可能性が唯一増す。
そうしないと、東京勢を刈れないから、という
それだけの欧米人グリード判断の理由からの、
人間のくずまるだしのドル安相場が発生するからである。

しかし、月曜はそうはならない。
東京勢は円を売り、ドルを売る。
続伸かじり高かはともかく、円高ドル高にはまずならない。
それはどちらにしても結果的には、
欧米勢の養分として、最後の残りカスの高値を拾い続けるのみで、
その養分はLCという名で、またも狩られる準備が整う。

そして、欧州時間に移行すれば、
東京勢が無邪気に円を売りドルを売りとリスク選考と動いた相場を
久しぶりの東京勢の狩場とみなされ、
ヨーロッパ時間にいよいよ戻り天井をつける準備が整うように思う。

トレンドが下落に転じたら転じたでそれを説明できる材料はことかかない。

例えば、火曜日はオーストラリアの政策金利が発表されるようで、
利下げが見込まれているようだが、
それを織り込んだうえで上昇している、そうである。

本当か、と思う。

豪ドルが金利を下げるとすれば、金利の先安感が生じる。
さらに米雇用統計の強さは、
強引に好意的に解釈すれば、量的緩和の後退と、金利の先高感が生じる。
そうなれば、両国の金利差は縮小が先に見えてくる。

相場は現在の地合を表しているのではなく、
すべては将来の先読みである。

たとえば、株で言えば、景気が本当によい、
と言われはじめたときには、株はとっくに相当に高値にあり、
株を手を出すには高すぎる(しかし素人のにわか投資家は景況感からさらに買う)
ということが起こる。

しかし、ダウであるが、現在はもはや昨年の高値に迫る位置まで伸びている。
そのレートは12900弱あたりだったように思い
そのレートまで残りあと100ドルもない。

無意味な先読みと
もっと無意味な買い上げを繰り返してきての、異常なまでの上限への到達である。

昨日の雇用統計の好結果、ISMの上ぶれ。

この2つの強材料であれば、金曜のダウ平均はもっと上げてもよかっただろう。
本当に自信があるなら、あと100も踏み上げれば
昨年なかごろの高値はあっさり抜き去り、
現在の戻り試しのトレンドから再び、真の上げトレンドに復帰できるのだ。

しかしそれはなかった。

要するに金曜があらゆる意味でのピークだったのである。

よって、来週からの流れは、ドル高が再開すると予想する。

まずダウが下がり始める。

それに合わせ、資源通貨が垂れていく。

乱高下をまだしばらくは続けそうなながら、
ユーロなどはいよいよ1.3を再び割って、
本来の(?)ユーロの下限試しに走っていくと見る。

先月の後半のファッションは、いわゆる安全通貨を潰す試しだったように思う。
当初はユーロ高という流れだったが、それに無理があると悟り、
相対のドル安という流れに地合をシフトし、
ドル売りを主体としたアタックが後半のファッションである。

その典型が幻通貨ドル円で。
こいつを76円割れに追い込むというのが、グリードの大きな目標だったように思う。

ついでにスイスフラン高、たとえばUSD/CHFを0.9割れに追い込むというな
ファッションも裏では起こっていた。

雇用統計ではドル安ドル高と乱高下したが、
結果として、最も動いた流れはドル高地合で、それによってドル円が浮上し、
そのもくろみが遠のいた。

ドル高地合が息切れしたのは、
ドル高に持って行きたい方向ながら、
あまりの株高が邪魔をしたからである。

為替相場は株とは連動してはいるようで、
実は独自に持って行きたい方向があるといつも思っている。
その方向性と株があっていれば、為替は素直な伸びを見せる。
例えば、ドル安に持って行きたいときの株高なら、
ぐんぐんリスク通貨が上がるだろう。
ただし、ドル高に持って行きたい地合の際に、株高が進むようなら
この流れはお互いが相殺し、
結果としては株の方に敬意を表されることとなり(実存感があるゆえに)
リスク通貨がじりじり上がる(本当は下がりたいのに)という地合となる。

雇用統計の流れを終え、上記の諸般踏まえ
為替相場は、
ドル安の方向をとりあえずやめて、
ふたたび、ドル高の方向の標準を定めたように思う。

あとに残す鍵は株式である。

この下値が堅い限りは、ドル高にも持って行きようがないが、
下値を割っていったとき、ドル高は加速するだろう。

そうなれば先月までと異なり、
ユーロやポンドは連日陰線を描きまくる、という流れとなる。

先月までとは逆に、株が上がったり下げないときは
為替相場も停滞し、絶好の押し目のように見えて
ロング筋が群がるが、株の少しの下げでドル高が加速し
それらのLCを割っていく、という地合が示現するように思う。

この流れこそ、現在の主要なトレンドの流れであり
ファンダメンタルズからみても、
このドル高の流れを完全に打ち消す材料はまだ生じてもいないことから、
ドル高が再び開始されれば、
現在のようなちんたら伸びてきたドル安の相場など、一気に粉砕されるだろう。

繰り返しとなるが、そのトレンドを確かなものとする鍵は株である。

とくにダウ平均。

これが12900を越えるかどうかが、すべての鍵となる。

私は現在がかなりの高値圏であり、ダブルトップの発射点というのが
いまのダウ平均の値段の評価であるが、
その雌雄を来週からいよいよ決するときとなるだろう。

ドル高が再び開始されれば、
ユーロドル、豪ドルドルなどが、激しいショートとなり
結果、ユーロ円、豪ドル円なども売られ
激しい円高地合が再び示現するだろうが
その場合の、ドル円はある意味で安泰である。

この場合の円高はドル高地合の結果であり、
ドル安地合の結果ではない。

よって、この見立てでのリスク通貨下落、円高が発生しても、

ドル円は、固定為替のように、76円〜77円あたりでまた止まり続けることとなるだろう。

ここまでの予測を根底から覆すのは、ダウ平均が高値を追うかどうか
12900ドルに達するかどうかである。

万が一、昨年高値を1pipsでも上回わり、12900ドルに到達してしまえば、
13000、14000と上値追いの勢いは自分自身でも先が見えず
そのバブルの様相は先が見えないものとなり、
シナリオの根底からの作り直しとなってしまう。

そうなれば、この長々書いてきた予測は、すべて無意味なのものとなる。


追記
チャートを見直すと、ダウ先物の現在の上値抵抗線
2011年5月につけた1.2869。
ここを超えた瞬間に、この記事の見立てはすべて白紙となる。
ここを突破すれば、アップトレンドが確実なものとなる。
続く抵抗帯は、2008年、これまた5月につけた13139。
最大の高値が、2007年1月につけた14266となる。
いまさら、もう忘れられたようなネタとなっているが、
リーマンブラザースすら潰されることとなった、
サブプライムは解決したのだろうか。
多くの人たちや事業者を奈落の底に落とすだけ落として、
具体的な解決策もないまま、その値幅を取り戻すとは
散って行った人々が、本当に浮かばれない。
投資家というものは、まったく健忘症で
金の皮をかぶってはいても、獣そのものである。
こんな上昇が許されるわけがない。
いま米株を買っている連中は、いつかその報いを受けてほしいものだ。