ユーロ全面安、しかしこれからの陰の主役は資源通貨と円!

本日はユーロが大きな値幅で下げた。

相も変わらず、資源通貨全力売りのポジショニングながら、いまや売らなきゃトレーダーにあらずといってもいいほどの弱気通貨ユーロを売らない方がおかしいということで、浮気心ではなく、ともに二人を深く愛するドンファンのような心で、すでにユーロもショートを多く積んでいた。

9/7に書いた「おばかダッシュ」と、9/9の学習能力皆無の東京のおばか逆バリリストたちのおかげで、戻りでもさらにポジションが仕込め、その多くは金曜につき利益確定決済をしたが、まあ結構なプロフィットを獲得できた。

豪ドルについても、以前指摘した通り、

9/6
ターゲットは短期的には豪ドル円80.5円アラウンド、豪ドルドルは1.045アラウンド。長期的には、豪ドル円75円割れ豪ドルドルはパリティ割れ。

豪ドルドル、豪ドル円ともに、短期ターゲットに到達のため、半分ほどは利益確定決済。

ユーロ、豪ドルとも、まだショートポジションは高めのポジションの分を残しているので、また訪れる東京のおばかな戻りあたりで、ふたたびもぐらたたきのごとくショートをピラミッティングするか、さすがに順張ってきてもサポート割れからついていきたいとは思う。まあ、いずれにしてもショート継続ということだ。

ただし、10年ぶりくらいの安値にまで沈んだユーロ円の水準はこれまでのレート感からすれば、非常に強い円高で、ユーロ円については、当局の介入なども気になるところ。

しかし、10年ぶりの安値、を記録しながらも、ドル円ならば75円にちょっと触れただけでマスコミはじめ、時の首相や関係者が大慌てで危機感を持った発言を繰り返す、という割りには、ユーロ円のこの下落については、どうも冷淡。

もちろん、G7ではなんらかの「円高ダメ絶対!」「円高、かっこ悪いよ」みたいなスローガン的な表明はしたようだが、それは今夜のユーロ安が発端ではなく、G7での場で予め用意されていた発言に過ぎず、今夜の相場にはどうも影響を受けている感が見られない。

その理由は、ドル円にある。

ドル円は、またも幻通貨らしく、ドル買い円買いにまたも挟まれ、値幅も固定相場のごとくなく、77円台。

他通貨がすさまじく振れるなか、まるで嵐のなかのエアポケットのごとくもはや見慣れてしまった値段水準で漂い続けるその姿は、いまやいわゆるひとつの伝統芸能のようで、幻通貨の真骨頂。まるで雅な能の世界を見ているようなある意味で見事な光景でした。

もちろん、馬鹿にしてます。

ただ、こうしたドル円のみをみれば、落ち着いたような相場付きにも見えるので、アメリカをすべての基準とする当局は、対ユーロでどんなに円高でも、要人発言一切スルーで、対欧州での輸出企業がどんなにあえいでも、重ねてスルー!という態度を取る可能性も高い。

まるで世界にアメリカと日本しかないような、世界の中心で日米が愛を叫ぶ(ただし、米は叫んでません)、みたいに、日本の当局はドル円しか相場を見てないのか、と思えるほどである。

マスコミ、政府、日銀各位
外国為替レートはドル円だけではないですよ〜。

しかし、今夜の要人達オールジャパンスルーっぷり、を見るにつけ、あくまで、ドルだけがすべての基準のごとく政府、日銀が崇め続ける限りは、1ユーロ20円とかの円高になっても、ドル円が77円なら、なにも動かないかもしれない。このレートがもし存在するとすれば、そのころのユーロは、1ドル0.25とかすさまじい値段だとしても動かなそうなところが怖い。

あくまでも、ドルが基準。ドル様。
ドル様が韓流スターなら、そんな日本当局を家族と言ってくれるだろうが、あいにく、ドル様はアメリカ人につき、日本を愛人とすら認識くれていない……。

ユーロについては、もともと大きなアップトレンドラインを破ったのだから、突き進むだろうとは思っていたが、ポジション調整の金曜日とは思えない、けっこうな下落っぷりで終幕。

ダウはといえば、案の定暴落ながら、そこは、1.0900あたりをサポートにまたも下げ止まり。
ダウは現在、とても綺麗なトリプルトップを完成させる間近、のところで、週末を迎える。

本日からG7があり、状況次第で、どちらに走るかを様子見というところか。
ただし、G7というのは、毎回サプライズが用意されていない。なにか要人達の親睦会というか、金のすさまじくかかったロータリークラブみたいな感じがほとんどだ。

そういう意味では、別に材料は特になく、そうなれば、当然、月曜日は続落となりうる。
東京が偉大なるばか逆バリストならば、オセアニア時間は強烈な順張リスト、しかもそうとう落ちたところからさらに落として利益を得ようとする。落ち穂拾いのような執念的なところがある。

それが東京にパスられたとき、日経平均がすさまじく押してくれば(ここまで金曜が落ちれば押すだろう)、さすがの逆バリストも順張りせざるを得ないだろう。

アジア市場は勇気がないから逆バリするのであって、すさまじい押しに抗って逆バリするのもまた勇気、なのでそういう意味では相対的に勇気のいらない順張りを選ぶのである。

そうなると、ニューヨークからの続落ラッシュとなる。

いまユーロの底割れが懸念されているが、実はもっとも危険なのがダウだろう。

ダウがトリプルトップを完成させれば、そのターゲットはダウの年初来安値を更新することとなる。

9月相場は荒れるので、そうなると、資源通貨は軒並み敏感に引きずり落とされるだろう。

ギリシャショックが起こったとき、ユーロドルにおけるドル買い圧力のなかでも、豪ドルドルはそれほど大きな下げを見せなかった。

それはユーロ豪ドルがそれ以上のすさまじい下げをみることで、豪ドルそのものの下落がカバーされていたからである。

今回も一見すると同じような構図に見える。ユーロも悪い、ドルも悪い。ならばユーロ豪ドルの下落はあっても、豪ドルドルはまたも踏ん張る。……果たしてそうか。

米国債の格下げからの先々週のダウの暴落の際、もっとも大きな下げの振幅をみせたひとつが、実は豪ドルドルである。

そのときは、いったん、0.9あたりで反発し長い下ヒゲとともに上昇したが、当時と異なりパリティ越えまでして相当の高値圏にある豪ドルドルがここを押しにまたも史上最高値を伺うには、ちょっと世界情勢が悪すぎるし、また、そのドル安圧力にも限界がある。

ならば、その振幅はふたたび下に向けられてもなんら不思議ではない。

ダウがトリプルトップを完成し、再度、年初来安値にアタックをかけてきたとき、豪ドルドルは、ふたたびパリティ割れを目指すだろう。

さらに、ユーロ円がこれだけ落ちても、ドル円さえ動かなければ当局は口は動かしても体は動かない、いつもの「我々は行動を辞さない」といいながらも、実は辞しまくり状態、と相場が判断すれば、ドル円は動かさぬようにしてながら、強烈な円買いを別の通貨で仕掛けてくる可能性も大あり。

そうなると、下値余地がかなりある豪ドル円は、やはり格好のターゲットなる。

ということで、やはりいま最も売るべき通貨はユーロが筆頭なのはもちろんだが、その影響をモロ受けるという意味で裏番長的に豪ドルもかなり危ない。そして、ドル円に危害を加えず、円買いを発生させるには、強烈な豪ドルドルのドル買いと、豪ドル円の円買いを同時に行えばよい。

これにて、日本当局がぼんやりしている間に、幻通貨の安定の裏で、あらゆる対円通貨が、すさまじく暴落していくと見る。

そうなると、やがて幻通貨もさすがに押されていくだろう。

そのとき(ドル円が落ちた←円高!……馬鹿馬鹿しい)と、日本が慌てふためいても遅い。他のクロス円は相当に惨殺されている。
そして、ドル円以外で、多くの円売りしていた投資家達は死屍累々。そこで、やっとのこと介入とともについには投機はドテンしてついには底を打って、円安相場に転換していく、かもしれない(といいつつ、それでも、結局また円高のシナリオの可能性の方が高いけど)。

ただし、週明け、対ユーロの円高の危機感から万が一、当局が早々に気づき、介入をかけてきた場合、いまのポジションはとりあえずはエスケープして、買いについていくこととする。

無論、その段階での介入は上値が重くなった瞬間での再びのショートを積むのはお約束。

ただ、いまの世界の空気から、介入というのはかなりハードルが高いようにも思う。

日本にその勇気があるならば、とっくに円高相場は終わっているはずだからだ。