ドル高=ドル円高、ではありません。哀れな鬼子、ドル円。

日本人は圧倒的にドル円のポジションでトレードしていて、NHKとかでも本日の為替相場です、などとドル円相場が中心に語られことから、あたかも為替市場では、ドル円がメジャーな取引ペアのように見えるけれど、それは、NHKも含め、日本国家がアメリカの家来(植民地、とまでは同じ日本人として言いたくありません)を未だに脱していないだけです。

ドル円メインで為替が語るのは、日本だけであって、まったくナンセンスです。そもそも円相場そのものが語る意味はないけれど、語りたいならば、まだユーロ円の方がましです。まあそれも円=ドルみたいなものなので、ユーロドルを語ればいいだけです。まあ、とにかく円を語る意味はありません。

ドル円はそもそも変動為替である必要すらありません。ドル=円でもいいくらいです。ドル円相場はアメリカが日本から搾取するために作られた架空の通貨ペアみたいなものなので、宿命的に円高の方にしか進みません。それならば、日本が全資産をアメリカに貢げばよいだけの話で、結局、ドル円は100円でも1円でも同じようなものです。この相場の変動は、日本がアメリカに貢ぐための口実のレートみたいなものです。

とにかく、ドル円は幻通貨ペアです。
その最大の理由は、日本が国家の体をなしていないからです。

為替は国家間の通貨取引です。アメリカの属国に等しい日本は純然たる独立国家ではありません。

結局、ドル円なる、日米同盟の象徴的な幻の通貨ペアは、取引量だけは世界第二位でありながら、世界から見れば主流でもなんでもない、陽炎のような通貨ペアです。

世界から見れば、ドル円レートは、ドルドルレートみたいなものだと思います。つまり、USD/JPYではなくて、USD/USD。

よって、ドル高相場でドル円は上がりません。上がることもあるし、下がることもあります。
逆に、ドル安相場でも上がるわけでもなく、上がることもあるし、下がることもあります。
要はアメリカのさじ加減です。

ドル円は、かろうじてましなクロス円、そしてドルストレートのからみのなかで、意味なくトレンドが時々発生し、ロング筋がけちょんけちょんにやられるだけのアメリカへの貢ぎ通貨ペアです。

とはいえ、ときどきドル円はアップトレンドにもなったりして、何年か円安相場にも行きますが、圧倒的に長い期間が、ドル円の下落の我慢を強いられるのが、これまでの歴史です。

そんな風にドル円が上がるのは、ドル高のときではなくて、クロス円高のときです。株価があがり景気がいいとされる時です。そのときだけ、ドル円は一休みさせてもらえます。

クロス円高というと、ドルストレートでのドル安ということになり、
妙な話ですが、世界的なドル安といわれているときに、ドル円はかろうじてあがる可能性があります。しかし、その動きもドル売り、円売りに挟まれて動きが鈍い。

ユーロ円やポンド円など、ドルストレートがドル円だからか、クロス円とか言われるけれど、本当は円=ドルみたいなもんで、ユーロ円というクロス円とユーロドルというドルストレートで挟まれた、「クロスクロス円」みたいなのがドル円です。ややこしいですが、それくらい、挟み撃ちで存在感のない通貨ペアです。

なので、ドル円は基本ずーっとレンジで、それがなんだか妙なトレンドによって、ステージが上か下に上がって、またずーっとレンジ。そんな感じで進みます。

ドル円はどこまでいっても、鬼子であり、幻通貨。

ユーロドルに次いで世界第二位の取引量とか言われていても、存在感は陽炎のようにありません。

それは、かつて世界第二位の経済大国といわれながら、世界第二位の存在感をまったく示せなかった日本と同じ。

かつての世界経済は、アメリカ1位、日本2位、ドイツ3位ではなくて、

アメリカ(+日本)1位、ドイツが2位、フランスが3位……なのです。

現在は、中国が2位に台頭し、ドイツが4位に転落していますが、実はドイツがまだ3位です。ドイツを追い抜いたときから中国はとっくに2位に台頭していました。

なぜなら、

アメリカ1位、中国2位、日本3位、ドイツ4位、ではなくて、

アメリカ(+日本)1位、中国2位、ドイツ3位だからです。

中国が日本を追い抜いたと皆危機感を抱きますが、追い抜かれていません。それは幻想です。日本はアメリカの一部なので、ずっと1位のグループにいるのです。日本という国家はカウントしてはいけません。

それは東京都が単独で、ユーロの小国にGDPを越えていると主張するような越権行為であり、東京は日本政府の管理下に置かれた日本の内部であり、国家間の比較では登場してはいけません。
同じように、アメリカの内部である日本も、ホワイトハウスの管理下にあるアメリカの自治区であり、単独で中国に勝った負けたというのは、おこがましいのです。

あくまでも、日本はアメリカのオプションであって、アメリカの+αです。

よって、通貨は国力を反映している、とすれば、ドル円の存在感というのは、世界が見る日本という意味で、存在感はほとんどなく、それが翻り円の影響力とニアイコールとなります。

そんなドル円が、唯一、注目されるのは、ドル安でもドル高でもいいんだけれど(基本、興味ないので)、相場でリスク回避の円買いみたいな消去法的な事態が発生したときか、ドル円を叩き落としたいと投機筋が考えるときだけです。

ドル円は日本人が最もポジションを持っているので、ロングのポジションがぱんぱんです。そして、要所要所にストップがあるので、そのストップを狩ることで、割のいいATMとしてときどきドル円は使われます。引き出し原資はもちろん、ドル円のポジションを取っている個人投資家の資産です。それが、彼らのお小遣いとなります。

可愛そうな通貨、円、そして存在感のないドル円

ドル円が今後、50円に行くか、100円に行くかは、日本によって決めることはできません。

世界経済の景況感……などと言われますが、要は、アメリカ次第です。

そういう意味で、いまドル円については、まったく興味がありません。

アメリカの属国らしく、日本の通貨もドルにしてはどうでしょうか。

1ドル30円。1ユーロ300円。みたいな時代も来るかも知れないので、
それならば、日本もドルになって、

1ユーロ10ドル、とかで考えた方がいいようにも思います。

いまの相場は円高ではなくて、ドル安です。
それをはき違えるとおかしなことになります。

円の価値はあるとは思いません。それはいまの日本に価値を見いだせないからです。
その意味ではいまの円は不当に高い。
ユーロに対しては、200円くらいでもおかしくありまえん。

ただ、ドルに対しては、アメリカも日本もどっちもどっちなのでわかりません。

もう1ドル50円で、アメリカ・日本間だけ、固定為替にしてはどうでしょうか。

そういう意味で、いま買うべき通貨は豪ドル円、ユーロ円などのクロス通貨か、ユーロドルなどのドルストレート通貨です。

ただ、あと10円くらいはドル円の下げにつきあわされて下落しても大丈夫なレバレッジで買えば、将来、これら通貨は大幅に上がっていくと思います。

ただし、現在の、短期的中期的テクニカル分析では、円はどの通貨に対しても高くなる雰囲気があります。

ドル円が切り離されて考えられるか、ドル円が盛り返すことをアメリカが許してくれない限り、クロス円の上昇は当分はお預けです。

円が独立通貨としての存在感を確立するためには、まずはアメリカから独立し、真の国家となることです。

ただ、そうなるとまずはハイパー円安に触れるでしょう。国力からして。ただ、そこから日本の復活がはじまる、ように思えます。

追記:
ちなみに、ハイレバレッジにしてドル円メインで勝っている人を、本当に尊敬します。
こんな幻通貨で相場が読める人はファンタジスタです。

いまはドル安相場でドル円は売っておけばいい、とかいうほど簡単ではありません。もちろん、レバレッジなしで長期的に寝かしておくなら、ドル円売っておけばいまのご時世は負けようもないけれど、ハイレバレッジでは、きつい戻りで耐えられない。
しかもドルの短期金利に連動しているといっても、その短期金利すら値動きが予測できるわけではない。

だから、すごい。

ただし、ドル円は幻通貨で、常識がほとんど通用せず感性でしかシンクロできない通貨なので、いま勝っている方々もくれぐれもお気を付けくださいませ。